研究課題/領域番号 |
16K03444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
新領域法学
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研究機関 | 名古屋大学 (2019-2022) 福岡女子大学 (2016-2018) |
研究代表者 |
岡 克彦 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (90281774)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性的マイノリティ / 韓国 / 積極司法 / 人権 |
研究成果の概要 |
本研究は、韓国の司法過程においてトランスジェンダー(以下「TG」という。)による性別変更が認められることにより、既存の性別秩序に変化をもたらした点に着目して、性的マイノリティの人権救済システムの構造的な特質を実証的に分析するところにその特徴がある。かつ、TGの問題が立法過程から疎外されやすい制度的な構造とその要因を析出する。 さらに、TGによる性別変更をめぐる解決方式において日韓で大きく異なっていることに視点を置きつつ、TGの性別変更の基準と手続を定めた日本の「立法による解決方式」と比較しつつ、裁判所の解釈でTGの性別変更を認める韓国の「司法による解決方式」の特徴とその問題性を解明している。
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自由記述の分野 |
比較憲法学・アジア法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、TGによる性別変更の事例に現れた「積極司法」の現象について立法や行政の政治過程といった「法」と「政治」との相関関係のなかから性的マイノリティの問題が疎外されやすい統治機構上の構造的な要因を解明しようと試みている。また、韓国における「積極司法」に関する研究は、性的マイノリティをめぐる日本の司法のあり方を解明する手がかりを提供できるだけでない。政治過程においても、裁判機関がどの程度までこの過程に関わることが許されるのか、その司法権の限界を改めて問い直す契機にもなっている。
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