研究実績の概要 |
【具体的内容・意義・重要性】 重要な研究成果:a.「デザイナー・ベビー」は2015年4月のLiang et al, その延長上の論文であるTang et al 2016を熟読し、特に後者の「妊娠・出産可能なヒト胚の遺伝子操作(CRISPR/Cas9によるゲノム編集*)」が可能であること、その技術上の進展、倫理的・法的・社会的諸問題(ELSI: Ethical, Legal and Social Implications)についての考察を深め、数度に渡る国内外の学会発表を行った(例:2017年の香港でのGordon Research Conference; 同年の日本分子生物学会;双方とも後述のb.の課題を併せて発表した)。さらに中国のDr. Hey Jiankuiが2018年11月27日に香港の国際学会で発表を行った(しかし中国当局の反対で論文公刊は事実上不可能)36分間の映像記録を視聴し、発表に拠れば遂に世界初のデザイナー・ベビーが2人生まれた(技術は*と同一)ことを確認し、本研究の意義と重要性が架空の未来のものではなく既に現実であることを含めて、今後英文・和文の論文執筆に結びつける予定が確定できた。
b.「ゲイ・カップル双方と血のつながった実子出生」についてはDr. Jacob Hannaによる2014年の「2年以内に実現する」との予告にも拘わらず2019年4月24日の現時点までDr.Hannaのイスラエルのラボでも、共同研究者Dr.Naoko IrieとDr.Azim Suraniのイギリス・ケンブリッジ大学のラボでも、これを(副次的結果として)可能とする発生学上の技術は確立しておらず、この問題は未だ現実とはならなかった。そのため和田は、この技術が実現した暁には激論となることが必至のELSI(上記参照)を先取りして、英文・和文の論文を執筆する予定を確定した。
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