先進国の政党制や党派性が流動化し、新しい形の社会運動が生起する中で、政治的オポジションの姿は多様化をみせている。 本研究は、いわゆる「ポピュリズム」と呼称される政治現象や政治的形態を中心に、その供給側(政治家・政党)ならびに需要側(有権者・活動家)の相互作用を念頭に置き、研究対象 国における新たな政治的オポジションの形式やその因果関係について主として分析を進めた。 その結果、こうした現象は、過去約30年間に渡る有権者市場の脱編成や組織的統合の弛緩の結果として表象しているものであり、現在進行している政党制の流動化の主要因であることを概ね突き止めることができた。
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