研究課題/領域番号 |
16K03460
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々田 博教 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90551101)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 農業政策 / 政治過程 / 制度発展 / 社会構築主義 |
研究実績の概要 |
平成28年度前半は、当初計画に基づき戦時期農政の資料調査を行った。主に農林省関連の公文書や農林官僚による論文・手記などを精査し、農山漁村経済更生計画の立案過程の分析を行った。資料収集にあたっては、北海道大学付属図書館や国会図書館などを主に利用し、アーカイブ調査を行った。こうした調査の結果、当初予定をしていた内容の資料の多くを入手することができ、それらの分析も順調に進んだ。(まだ入手できていない資料が多少残っているので、今後もそれらの調査を継続する。) 平成28年度後半は、これまで資料収集・分析を行った戦前の農業政策についてまとめた著書の出版に向けて、原稿執筆を開始した。この著書は、第1章 序論、第2章 明治期の農政、第3章 大正期の農政、第4章 1930年代の農政、第5章 戦時期の農政、第6章 終章といった構成となっている。第1章から第3章までは、前年度から書き進めていたこともあり、平成28年度は第4章から第5章の執筆を主に行った。その結果、第5章までは、ほぼ執筆が完了した。この著書の出版について、社会科学関連の研究書の出版に定評がある勁草書房と交渉をしたところ、同社による出版が同社の企画会議において正式に決定された。今後は、残す終章の執筆を進め、できれば平成29年度中に出版したいと考えている。 また平成28年3月30日には、高知県で開催された政治学の研究会において、本研究の内容を報告した。また本研究を基にした研究報告を目指して、平成29年8月開催のヨーロッパ日本研究学会(於ポルトガル・リスボン市)10月開催の日本政治学会に応募をしたところ、両学会において採用された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では、平成28年度は資料収集と資料分析のまとめに専念する予定であったが、これらが予定より早く終了したため、著書原稿の執筆を早い段階で開始した。その結果、著書出版計画の具体的な内容が固まったので、出版社との交渉を行ったところ、早ければ平成29年度中には本研究の内容を著書として出版することで合意に至った。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、著書原稿の執筆を行い、出来るだけ早いうちに原稿を仕上げたいと考えている。平成29年度中に、出版を行うことが目標である。また本研究を基にした論文の報告を、平成29年8月開催のヨーロッパ日本研究学会(於ポルトガル・リスボン市)10月開催の日本政治学会において報告する予定である。これらの学会における報告を通じて、本研究へのコメントなどを集め、今後の研究に活かしていきたい。こうした出版・報告などが終了した後は、戦後日本の農政の展開についての資料収集を進めたいと考えている。平成29年度半ばから、こうした資料収集を行い、翌年度はその資料分析と論文執筆を進め、その後の著書出版を目指して原稿執筆を行いたい。これと同時に、1冊目の著書の英語訳も進めていきたいと考えている。英訳がある程度進んだ段階で、海外の出版社に企画書を送り、英語版著書の出版を実現させたいと考えている。また、本研究の一部を論文としてまとめた内容を、海外ジャーナルに投稿し、掲載を目指したい。投稿先としては、海外の日本研究関連のジャーナルとして高く評価されている「Journal of Japanese Studies」を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
13円以下で購入出来る物品がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品費として使う予定。
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