研究課題/領域番号 |
16K03470
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
砂原 庸介 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40549680)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 都市政策 / 住宅 / 政党 / 選挙制度 / 地方政治 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの研究成果として『新築がお好きですか?日本における住宅と政治』という著作を8月にミネルヴァ書房から出版した。この著作は,日本において新築中心の持家社会が出現したことについて,賃貸住宅と都市開発をめぐる制度を通じて説明するものとなっている。出版から半年程度だが,新聞・雑誌における書評をはじめとした反響があり,一定の社会的インパクトがあると言える。この研究については,3月にバンクーバー市(City of Vancouver)の担当者と意見交換を行ったほか,ブリティッシュコロンビア大学で開催されたセミナーにて報告を行った。 次に,都市のガバナンスに関する研究として,『レヴァイアサン』にて「大都市を比較する-日本の都市は「大きい」か?」という論文を発表した。この研究では,OECD諸国の大都市を対象として,人口成長を促す要因として都市の面積や自治体の数が効果を持っていることを主張するものとなっている。この論文については,さらに2019年6月にモントリオールで開催されるInternational Public Policy Associationで発表する予定である。 それに加えて,地方選挙における投票率の決定要因として,選挙と選挙の間隔に注目した研究を大阪大学大学院の芦谷圭祐氏と行い,「疲労か高揚か-連続する選挙が投票率に与える効果の検証」というタイトルで公共選択学会で報告した。この論文については,その後1月に早稲田大学で開催されたセミナーで報告されたほか,2019年9月にEuropean Consortium for Political Researchで報告される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究期間中に書籍というまとまったかたちで出版を行うことができたのは計画以上の成果であると言える。それに加えて,本年度は都市の境界が持つ意味についての研究を進めて,本研究プロジェクトでこれまでに実施してきた住民投票についての研究と加えて新たな書籍の刊行に向けての目途を建てることができたのは重要な成果である。 さらに,本年度は本研究プロジェクトの成果について英語による発表を始めるとともに,さらに当初の計画よりもその機会を増やすための準備を行うことができた。研究プロジェクト自体は一年延長するものの,これは成果の報告を積極的に行うためであり,本研究プロジェクトが当初の計画を超えて進展していることを示すものとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
一年の延長で最終年度となる次年度に計画することは次の二点である。まず,本研究プロジェクトの成果を海外の学会等で発表することである。現在のところ,6月のInternational Public Policy Associationと9月のEuropean Consortium for Political Researchを予定しているほか,可能であればそれ以外の機会にも発表を行うことを考えている。 もう一点は,研究プロジェクトの成果として二冊目の単著を発表することである。すでにその単著の内容を構成する論文(7本程度)を発表しており,次年度は統合された著作として再構成するための準備に充てられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該補助事業は順調に進展しており,とりわけ2018年度はそれぞれ異なるテーマを扱った1冊の単著と複数の研究論文をすでに作成した。このような研究活動の成果について,学内の表彰と研究奨励金を受けたことから,2018年度については余裕のあるかたちで資金の使用が可能になり,補助事業をさらに発展させるために海外での研究報告を行うこととした。2019年度には2回の国際会議での報告を予定しており,研究費をそのために利用しようと考えている。
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