従来,都市政策の中でも住宅政策は,政治学が十分に取り組んできた領域ではなかった。しかし本研究では,政治制度との関係を強く意識して住宅政策の分析を行い,研究機関内に単著の出版に至った。この成果は広く注目されて,一般の新聞・雑誌でも書評や関連記事が出版されたほか,英語の雑誌を含む学術誌でも数編の書評が出版されている。 また,大都市制度というメゾレベルの制度からマンション管理組合というこれまで十分に分析されてこなかったミクロの制度まで注目して先駆的な成果を発表したほか,近年政治的に大きく注目される住民投票の分析を進め,「拒否権」として活用する住民投票という政策的な含意を示している。
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