研究課題/領域番号 |
16K03475
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
畑山 敏夫 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10180887)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 2017年大統領選挙 / 右翼ポピュリズム政党 / マリーヌ・ルペン / EU・ユーロ離脱 / ポピュリズム現象 / 反移民・難民 / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
初年度であるので、最新の右翼ポピュリズム政党の動向を分析するために基本的文献に目を通した(代表的な文献としてはV.Igounet,Le Front national,2015,Seuil)。また、「右翼ポピュリズム政党」を研究の対象にしているので、その基本的概念を確定するために、フランス語と日本語でポピュリズム現象について扱っている文献に目を通し、「右翼ポピュリズム政党」という用語の基本的意味を整理した。その他にも、大統領選挙の年なので、新党首マリーヌ・ルペンのもとで、大統領選挙のキャンペーンがいかに行われ、どのような政策的主張がなされているか検証した。また、マリーヌ・ルペンのポピュリズム的主張いかに有権者に受容されているかについても、特に、EU・ユーロ離脱や反グローバリズムの言説に対する有権の反応を世論調査査の結果を中心に分析した。大統領選挙に関しては、他の候補と政党、特に、左翼ー保守の二大政党(社会党、共和党)と候補を中心に情報を集め、分析を行った。以上の作業の成果は、週刊『東洋経済』(12月24日号にマリーヌ・ルペンと国民戦線についての論稿(ウルトラ右翼、反共からポピュリズムへ)として掲載されている。その他にも、年度内に多くのメディアの資材を受け、大統領選挙と子マリーヌ・ルペンについての情報を提供した。4月23日に大統領選挙第1回投票を控えて、その結果を踏まえて、九州大学での臨時授業や講演などを予定しており、年度末はその準備も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に基本的文献を読み進め、大統領選挙に関する情報もフランスの新聞や雑誌を中心に収集できている。多くのメディアの問い合わせにも、多くの情報を提供できており、研究の成果が表れている。授業「現代政治論」も、本年度は「現代のポピュリズム」をテーマに設定して、研究の成果を生かして講義内容を組み立てている。そのような点から、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、大統領選挙の結果がでるので、選挙についての分析が大きな課題となる。特に、国民戦線の得票分析に取り組み、フランス政治の構造変容と絡めて総合的に分析する。そして、昨年度は見送ったが、本年度は9月に海外調査を予定しており、大統領・国民議会選挙後の政治情勢や国民戦線の動向などについて情報収集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度9月に海外調査を予定していたが、テロ事件が起きるなど治安情勢が悪化し見送ったため、次年度使用に回さざるをえなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は9月に海外調査に赴く予定で、その費用として昨年度の剰余分は充当したい。
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