研究課題/領域番号 |
16K03475
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
畑山 敏夫 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10180887)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ポピュリズム現象 / マリーヌ・ルペン / 2017年フランス大統領選挙 / EU・ユーロ離脱 / 反移民・難民 / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
昨年は、フランスで大統領選挙があり、ヨーロッパでのポピュリズム現象の広がりもあって、世界的に注目を集めました。大統領選挙では、第1回投票で既成政党の2候補が敗退するという番狂わせがあり、その点でも関心は高まりました。トランプ大統領の誕生もあり、フランスでもポピュリズム現象が猛威を振るうのかといった関心も高まりました。その結果、研究テーマである右翼ポピュリズム政党の党首マリーヌ・ルペンにも注目が集まりました。そのこともあって、新聞やラジオなどのマスコミやパリの日本大使館などからの代灯篭選挙とマリーヌ・ルペンについての情報提供や取材の要請が多くありました。その他にも、久留米大学主催の市民講座や九州EU研究会、日仏政治学会の研究会などで報告を求められました。また、日仏政治学会の年報(第12号)では「2017年フランス大統領選挙におけるマリーヌ・ルペンの挫折をどのように読み解くのかー「新しいFN」の強さと弱さ」を執筆した他に、現在、佐賀大学経済学部紀要『佐賀大学経済論集』に「マリーヌ・ルペンとフランスの右翼ポピュリズム-変容するフランス政治と『国民戦線(FN)』について考える」を連載中です。7回の連載を予定していますが、昨年度は第1回(50巻第3号)と第2回(50巻第4号)が刊行されています。これまで、前党首ジャン=マリー・ルペンの国民戦線については研究『フランス右翼の新展開ールペンの見果てぬ夢』を刊行しましたが、マリーヌ・ルペンの国民戦線については本格的な分析や考察をした研究がありませんので、多角的に分析・考察して、国民戦線の現在を立体的に理解できる作品にしたいと思っています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、新党首マリーヌ・ルペンの下での右翼ポピュリズム政党「国民戦線(FN)の連続性と変化について研究すること、それをフランスの政治社会清の変容と関連付けて分析・考察することを課題としてきました。その点においては、1年目に、新党首のもとでの国民戦線についての基本的研究作業を行い、2年目には、その作業によって得られた知識や情報に基づいて、課題のテーマにそった論文「マリーヌ・ルペンと右翼ポピュリズムー変容するフランス政治と『国民戦線(FN)』について考える」という連載(7回連載を予定)を年度後半から執筆にとりかかり、2回分が刊行されたているのは、順調に成果が出ていると言えるでしょう。そのような理由から、「おおむね順調に進展している」を選択しました。
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今後の研究の推進方策 |
現在取り組んでいる連載論文は、研究テーマにとって中心的な課題ですので、予定の7回まで順調に執筆し、完成させたいと思います。また、最終年度は海外調査も予定しており、2017年大統領選挙後のマリーヌ・ルペンと国民戦線についての最新の情報と資料を集めて、研究の充実に活かします。連載論文については、出版の可能性を探り、広く研究成果を社会に還元することを目指します。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の業務の事情から、予定していた海外調査に行くことができず、最終年度に調査を延期したので指年度使用額が発生しました。本年度は9月に海外調査を行う予定で、次年度使用額をそれに充当したいと思います。
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