研究実績の概要 |
本研究では,行政手続の自律性と応答性の考察を進めてきた。具体的には、地方政府における行政契約・行政協定制度を主たる分析対象におきながら,行政手続に期待される価値(公平性・正確性)を確保しつつ住民・利害関係者への対応実態の把握に取り組んだ。 最終年度である本年度は,以下の研究を進めた。まずは,特別区を中心に,行政手続の制度上の特性を明らかにすることを目的に,政令指定都市が公表している各種計画・報道資料等の行政手続の関連資料の収集整理を進めた。特に,前年度に引きつづき,ソフトな行政手法となる協定と基本方針に力点を置きながら資料収集と整理に努めた。 二つめは,地方政府の行政運営・行政手法,政策実施等に関する文献収集,資料収取を行い,各種研究成果をまとめるうえで活用をした。具体的には,食品表示偽装に対する各種機関間での連携の実態を分析し,公刊する際に活用を行った。 以上の研究を通じて,政策課題に対する自律的な手続の整備とともに,課題解決に向けた柔軟な応答の現状を抽出することができた.従来の研究では明示化されてはこなかった地方政府における計画手続における政府間での応答と自律性を明らかにすることができた。
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