研究課題/領域番号 |
16K03479
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
廣田 全男 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (70295525)
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研究分担者 |
幸田 雅治 神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
伊藤 徹哉 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20408991)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40214423)
山田 徹 神奈川大学, 法学部, 非常勤講師 (90409839)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大都市リージョン / 政府間関係 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
平成28年度は、雑誌論文の収集による先行研究の成果の参照に努めたが、本研究のテーマである大都市リージョン制における政府間関係とガバナンスを取り扱った研究論文は数少ないことが分かった。大都市リージョンのガバナンス研究に関しては、その関係者から取得したいくつかの研究報告が有益であった。例えば、大都市リージョン・ミュンヘンにおけるガバナンスの欠如を分析したM.Miosga, R.Saller等の『大都市リージョンはどれくらいの「ガバナンス」を必要とするか?』、シュトゥットガルト・リージョンにおけるガバナンス形成を検討したT.Kiwitt, D.Langの『持続的な地域ガバナンスの前提条件としての効率的な地域ガバナンス シュトゥットガルト・リージョン(ドイツ)の「結束力」』は、それぞれのリージョンにおける具体的な計画や事業を取り上げてガバナンスの実態をと課題を分析している。 研究会では、「ドイツの大都市リージョンにおける地域計画のあり方について」、「ドイツの大都市リージョンにおける地域計画について―ハノーファーの事例―」、「ドイツの機能地域としてのライン・ルール大都市圏およびその社会・経済的変化」等のテーマで研究分担者が報告を行った。リージョンと構成自治体の対立、リージョンの独自財源、地域計画と州計画の関係等をめぐる問題を確認した。また、神奈川大学の研究会(「大都市圏における都市整備計画のガバナンスのあり方に関する研究」)と共催の研究会において「フランクフルト都市圏連合」等の組織・活動に関する報告がなされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成29年3月に2~3人のグループごとに実際の大都市リージョン組織を訪問して実地調査を行う計画であったが、日程の調整がうまくいかなかったため、平成29年8~9月に延期することとした。そのため、研究費の支出が今年度に繰り越されることになった。実地調査についてはシュトゥットガルト、ミュンヘン等、先方の了承を得ており、メールのやり取りで情報の収集をしている段階である。 実地調査に関しては研究の進捗が遅れているが、平成28年度に計画した資料収集、研究会の開催はほぼ計画通りに行われた。研究会では、ハノーファー、ライン・ルール等のリージョンの実態、州計画と地域計画の関係等に関する報告・討論を通じて、情報の共有、意見交換を図った。平成28年度の研究成果の公刊は今年度になる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、8~9月(29年)に1回目の実地調査を実施し、3月(30年)に当初の計画通り2回目の実地調査を実施する方針である。1回目はドイツ北部、2回目はドイツ南部を中心として調査する計画である。現地の大都市リージョンと早めに連絡をとり、現地の資料・情報を事前に収集・整理して、実地調査をより有益なものにしたい。 本研究では、ドイツの大都市リージョンの基礎的な情報を収集、整理して、大都市リージョンを比較対照することを課題の一つとしている。そのためには文献やインターネットによる情報だけでは不十分なため、年度内にアンケート調査を実施する方針である。 研究会を2~3カ月に1回開催する。また、研究分担者はそれぞれ昨年度の研究成果を論文、報告に取りまとめて公刊する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度(平成29年3月)に2~3人のグループごとにドイツの大都市リージョンを実地調査する計画であったが、研究分担者間での日程調整がうまくいかず、実施時期を平成29年8~9月に延期した。また、資料・情報の整理を研究協力者に依頼する計画であったが、その実施が平成29年5月~6月になったため、平成28年度の支出はなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度(平成29年3月)に計画していたドイツの大都市リージョンの実地調査(1回目)は、平成29年8~9月に実施を延期する。また、研究協力者による資料・情報の整理(平成28年度分)は、平成29年5月~6月に実施する。
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