• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

後期マッキーバーの「社会科学」論

研究課題

研究課題/領域番号 16K03483
研究機関國學院大學

研究代表者

苅田 真司  國學院大學, 法学部, 教授 (30251458)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードマッキーバー / アメリカ / 社会科学
研究実績の概要

研究計画に従い、マッキーバーのアメリカ時代の未公刊資料を閲覧・収集するために、2017年11月2~7日の日程で、アメリカ合衆国ニューヨーク州コロンビア大学において、海外調査を行った。その結果、バーナード・カレッジ時代のものを含めて、後期マッキーバーの社会科学観を分析するために重要な資料のいくつかが発見され、現在分析を進めている。
また、前年度に行った文献の分析作業を進め、コロンビア時代のマッキーバーについての理解を深めた。特に、ロバート・リンドを初めとする1930年代のコロンビア大学における社会科学者共同体の状況の理解については、一定の目処が立ったので、次年度中に研究成果の一部として発表する予定である。
また、バーナード・カレッジ時代のマッキーバーについても、これまでアメリカ政治学やアメリカ社会学の大きな文脈中でのみ議論されていたマッキーバーの議論を、より精密にとらえ直し、直接の議論の対象や論争相手を復元しつつある。
また、その過程において、マッキーバーを取り巻く状況としての、1930年代のアメリカ社会科学に関して、より深い分析が必要であることが明らかになった。そのため、やや視野を広げて、アメリカ社会科学全般に関する1930年代の理解の問題を、ニューディール政策との関係やプラグマティズムとの関係から改めて再考している。従前の見解に対する修正を迫る点もあり、マッキーバー理解にとっても重要であることから、この点についての研究成果も、次年度中に何らかの形で公表したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画では、1930年代におけるコロンビア大学の社会科学共同体の状況とマッキーバーの関係を、研究成果として公表する予定であったが、実現できていない。理由は、上述したように、1930年代のアメリカ社会科学のとらえ直し作業が必要であることが明らかになったためであり、そのなかにマッキーバーの議論を位置づける必要があるからである。とはいえ、後期マッキーバーの社会科学観を、コロンビア大学の社会科学共同体と結びつけて議論するという初期の目標には近づきつつあり、大幅な遅れではないと考えている。
それ以外は、ほぼ順調に研究計画は進行している。海外調査においては、予期された資料をあらかた入手したと考えているので、今後その分析を行い、研究成果に結びつけたい。また、バーナード・カレッジ期のマッキーバーについても、一定の研究成果は得られていると考えているので、1930年代以降のアメリカ社会科学との関係を考慮しつつ、同時代の社会科学思潮の中におけるマッキーバーの位置を明らかにした成果を公表したい。

今後の研究の推進方策

早急に1930年代アメリカ社会科学についての再解釈像を提示するとともに、その中におけるマッキーバーの位置についての研究成果を報告する。また、今年度の海外調査において入手した資料を基にして、より綿密にマッキーバーの議論を分析するとともに、コロンビア大学の社会科学者共同体との関係についても、さらに詳細に分析を進め、特にバーナード・カレッジ期におけるマッキーバーの社会科学論について、具体的な研究成果を公表していきたい。
研究計画によれば、次年度はイギリス時代のマッキーバーについて、遡及的な海外調査を行う予定になっている。上記研究の進捗状況を勘案しながら、有意義な成果が望めるタイミングで、予定通り海外調査を行い、必要な研究資料等の発見・閲覧に努める予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度後半において、海外調査によって入手した資料の分析が中心になったため、公刊資料の選定・入手作業が遅れたため、若干の残額が生じた。残額については、次年度の資料購入費等で使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「宗教」・「世俗」・「多元主義」―タラル・アサドと政治理論―2018

    • 著者名/発表者名
      苅田真司
    • 雑誌名

      國學院法学

      巻: 55 ページ: 1-29

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi