後期マッキーヴァーの思想について、社会科学史の手法を用いて分析を行った。その結果、(1)後期マッキーヴァーの思想において、相互性・制度主義・動的評価の概念が中心的な役割を占めており、文化的秩序と技術的秩序のずれを認識する動的評価が社会的秩序を作り出していること、(2)後期マッキーヴァーの思想において、自然科学的因果性と社会科学的因果性が峻別されていることが明らかになった。また、(3)社会科学観と社会科学教育の構想に関して、「学者」型と「技術者」型の対立があることを、コロンビア大学の同僚であるロバート・リンドとの論争の中から明らかにした。
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