研究課題/領域番号 |
16K03484
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
内海 麻利 駒澤大学, 法学部, 教授 (60365533)
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研究分担者 |
曽我 謙悟 京都大学, 公共政策大学院, 教授 (60261947)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 都市計画法制 / 即地的詳細計画 / フランス / 地区計画 |
研究実績の概要 |
都市計画法制は、都市全体の一般利益を優先するため、個別利益に対して公共団体に公権力を付与しているが、土地所有権の保障がされているため、一般利益が個別利益に影響を受ける。こうした一般利益と個別利益のメカニズムは、制度の構造を規定するガバナンスに深くかかわると考えられる。そこで本研究では、ガバナンスの違いによる法制の一般利益への個別利益が齎す影響と、そのメカニズムを解明するため、日仏の即地的詳細計画を対象に、立法過程の「理論的局面」と制度の執行による「事実的局面」に整理して一般利益と個別利益の関係を明らかにすることを目的としている。 研究方法は、まず、日仏の「即地的詳細計画」の立法過程の情報等を研究素材とする「理論的局面」と、執行過程の実態等を研究素材とする「事実的局面」の検討を行うために、日仏の即地的詳細計画の立法過程と執行過程の調査を実施する。 平成28年度、平成29年度においては、日仏、両国において、次のような調査・検討を行った。立法過程に関しては、関係省庁への聞き取り調査を実施し、また、法案作成及び審議経過にかかわる資料などの分析を行い、一般利益がどのように設定されていたかを明らかにした。執行過程に関しては、制度の運用いかかわるアンケート調査や、地方公共団体、地域組織などへの聞き取り調査などを実施し、当初想定されていた一般利益を踏まえて個別利益との関係がどのように調整されているかを明確した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、日本の確認調査とフランスの実態調査をおこなっている。まず、日本の確認調査は、平成28年度に実施した典型事例の現地調査の分析結果とアンケート調査を踏まえ、その課題が顕在化している地区(地方公共団体、自治会、地区協議会など)に、聞取り調査お行った。 次に、フランスの実態調査は平成28年度の調査で明らかになった一般利益の噴出の状況が顕著な基礎自治体の地区(市の助役、地区協議会など)に聞き取り調査を行った。また、立法過程の資料を入手するため、コンセイユデタへの聞き取り調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度、平成30年度では、平成28年、29年度の調査結果をモデルにあてはめ、検証調査(日仏、省庁、関係機関及び5都市程度)を実施したうえで結論に導く。
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次年度使用額が生じた理由 |
聞き取り調査のための旅費、アンケート調査が計画額を超過したが、これらの調査は、平成30年度に組み込まれていた調査も含まれていたため、平成30年度には、すでに平成29年度に行った一部の調査を実施しない。
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