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2019 年度 研究成果報告書

人文主義政治思想史における快楽主義の影響の研究:「徳の政治学」の功利的変容

研究課題

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研究課題/領域番号 16K03491
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 政治学
研究機関早稲田大学

研究代表者

厚見 恵一郎  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00257239)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードマキァヴェッリ / ルネサンス / 人文主義 / エピクロス主義 / 西洋近代政治思想史 / ガッサンディ / 原子論 / キリスト教
研究成果の概要

本研究は、初期近代政治思想史における「徳の政治学」(virtue politics)の系譜的研究の一環として、ルネサンス期の統治者論にみられる快楽主義的伝統(エピクロスやルクレティウス)とキリスト教的伝統(アウグスティヌス主義)の拮抗と接合を解明しようとするものであった。そのために、[1]イタリア・ルネサンスにおけるルクレティウス受容の痕跡をたどることで、古来隠遁的・非政治的であった原子論哲学や快楽主義・原始主義が政治化されていく過程を確認した。さらに[2]北方人文主義における快楽主義への反応を検証すべく、ガッサンディにおける原子論とキリスト教神学との接合を検討した。

自由記述の分野

政治思想史

研究成果の学術的意義や社会的意義

統治者や政治家に求められる資質として、西洋の歴史においては、プラトン、アリストテレス、キケロに代表される古典古代の徳と、中世以降のキリスト教的徳とが並立的もしくは混合的に提示されてきた。そうした伝統のなかでいわば傍流であったエピクロス主義の原子論や原始主義(社会進化論)は、近代にいたって、政治的快楽主義の一種として、マキァヴェッリやホッブズの統治論のうちに摂取されることになる。17世紀には、エピクロス主義の原子論とキリスト教とを接合しようとするガッサンディのような人物も登場する。こうした複雑な系譜の絡み合いを理解することは、現代において政治の役割や政治家の資質を再考する一助ともなりうる。

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公開日: 2021-02-19  

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