本研究は、これまで申請者が実施してきた「崩壊国家」と国際秩序に関する諸問題を、北東アフリカ地域(「アフリカの角」)における新たな現象を取り込む形でさらに深化・発展させることを目的とした。崩壊国家ソマリアを機能させる国内外の様々な複雑な作用を包括的に解き明かす作業に加え、隣国との関係においても新たな展開を見せている国際関係を組み込みながら、実証的に研究を行った。 その際に、崩壊国家の生成を含む、不安定性を大きな特徴としているこの地域について「植民地化されなかった」アフリカと評価する視座を参照しながら、エチオピアや新たに影響力を持ち始めた中東諸国との関係からこの地域の分析を行った。
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