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2019 年度 実績報告書

国際制度の「共通の利益」に与える影響に関する政治学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03511
研究機関東京大学

研究代表者

古城 佳子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30205398)

研究分担者 石田 淳  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90285081)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード国際協調 / 共通の利益 / 国際制度 / 安全保障 / 国際経済
研究実績の概要

本研究は、国際関係において「共通の利益(common interest)」の認識の形成に国際制度が与える影響について、分野の異なる事例(研究代表者は国際経済分野を、研究分担者は安全保障分野を担当)を検討することで明らかにすることを目的とする。令和元年度は、前年度までに行った理論的な研究と事例についての分析を基に、国際制度の「共通の利益」の認識の形成に与える影響をまとめた。
研究代表者は、前年度までに国際制度が国際金融危機の回避、国際経済秩序の維持という「共通の利益」の認識の形成にどのように影響するのかという点に焦点をあてて研究を進めてきたが、令和元年度は、分析の射程を広げ、国際経済分野における多国間主義(multilateralism)、国際制度、「共通の利益」との関係を分析した。従来の研究では、国家間の「共通の利益」の認識の存在が多国間主義の前提であり、国際制度は多国間主義の具体化ととらえられてきた。すなわち、一旦形成された国際制度が各国の「共通の利益」の認識を高めると考えられてきた(日本があてはまる事例である)。しかし、国際制度を国家の代理人(agent)とする認識が国内で強くなると、国際制度が必ずしも国内の「共通の利益」の認識の共有を促進するとは限らないことが明らかになった(近年のアメリカの事例)。これらの成果は、シンクタンクの研究会、東京大学大学院総合文化研究科における国際政治ワークショップで発表した。
研究分担者は、安全保障分野における研究を進め、各国の安全保障という「共通の利益」の認識と同盟という国際制度との関係を分析した。分析から、同盟においても自衛権の行使の範囲などについて関係国間の認識が一致しなければ、安全保障のディレンマや同盟のディレンマが深刻化し、利害調整のための意図のコミュニケーションも容易ならざるものとなるという知見を得、論文として刊行した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 長期化する米中対立がサプライチェーンに落とす影2020

    • 著者名/発表者名
      古城 佳子
    • 雑誌名

      外交

      巻: 59 ページ: 42-47

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 現状防衛の時空間――安全保障外交の歴史と理論」2020

    • 著者名/発表者名
      石田 淳
    • 雑誌名

      大矢根聡編『国際関係理論と日本外交史―ー「分断」を乗り越えられるか」勁草書房

      巻: 0 ページ: 54-75

  • [学会発表] 多国間主義の再検討ー戦後国際経済組織と日本2020

    • 著者名/発表者名
      古城佳子
    • 学会等名
      駒場国際政治ワークショップ
  • [学会発表] 国際秩序の動揺と多国間主義2019

    • 著者名/発表者名
      古城佳子
    • 学会等名
      三菱総合研究所セミナー
    • 招待講演
  • [図書] 国際関係理論と日本外交史2020

    • 著者名/発表者名
      大矢根 聡
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-30285-7

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公開日: 2021-01-27  

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