計画通り課題を実施できた。日米韓関係における文化政策の位相と歴史問題に関し、特に文化財・文化遺産を中心に研究を進めた。日韓国交正常化交渉以前の朝鮮半島および日本を占領した米国の役割を中心に、一次資料を調査発掘しその結果を学術誌に投稿し、掲載された。 合わせて文化財をめぐる日韓関係に関する研究会、シンポジウムを開催し、その結果をふまえた大学院での授業も実施できた。対馬の仏像盗の所有権を主張する韓国の寺院が原告として韓国政府を提訴した地方裁判所での判決文などの資料を入手し、文化財に関する韓国社会の様相に関しても、研究を進め、研究会で発表を行った。 資料分析、インタビューなど、研究期間を通じて得た研究成果をふまえ、今後は、朝鮮民主主義人民共和国の文化財をめぐる国際関係の基礎研究に着手したい。
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