本研究は、コモンウェルス、勢力圏において紐帯を維持する目的で、イギリスが原子力協力を進めていたことを明らかにした。また、原子力を中心議題としたコモンウェルス首相会議、当該分野の指導的科学者を集め開催したコモンウェルス原子力科学者会議について明らかにした。イギリスが地政学上重視した、トルコ、イラク、イラン、パキスタンに至る「北層諸国」のため構想したバグダット条約原子力センターについて、設置の背景とその後の展開について明らかにした。これらの発見は2019年8月開催の、第15回国際東アジア科学史学会で発表することになった。また図書を構成する1章、或いは学術論文として刊行すべく準備を進めている。
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