研究課題/領域番号 |
16K03527
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
大平 剛 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (30303605)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | グローバル・サウス / 南南協力 / 開発ガバナンス / 国連開発協力フォーラム / GP-EDC |
研究実績の概要 |
平成28年度は当初の予定通り、前半は文献を収集・分析し、後半はジュネーブで関係者へのインタビューを実施した。前半部分では、主に雑誌論文や機関報告書を用いて、UNDCFとGPEDCの比較を行った。 これまで申請者は、それら2つの開発援助に関するフォーラムの正統性を(手続きにおける)「民主的正統性」と「機能的正統性」の違いとして捉えていたが、文献のなかにはinput legitimacy、throughout legitimacy、output legitimacyと3つに分けて捉えるものが存在した。民主的正統性はinput(参加)に相当し、機能的正統性はoutput(結果)に符合するものと考えられるが、ここにもう一つの視点として意思決定過程における正統性(内実)もあることから、この視点をもとに2つのフォーラムを捉え直す必要性に気付いた。 後半のインタビューは当初予定していたNGO/CSOへのインタビューが実現せず、South CentreのManuel Montes氏とUNDPのAdam Rogers氏へのインタビューのみを行うことが出来た。2つのフォーラムに出席経験のあるMontes氏からは、実際のフォーラムにおける政策決定過程でのやりとりなどを伺うことが出来、文献で述べられている情報の裏付けを取ることが出来た。また、Rogers氏からは、なぜUNDPが2つのフォーラムに関与しているのかについて、機関内部の情報を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校の大学行政において学部長の役職にあって、研究に十分な時間を割くことが出来ない。そのため、当初予定していた文献の分析が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では平成29年度は2回の海外インタビュー調査(フィリピン・マニラ、米国・ニューヨーク)を予定していたが、進捗状況いかんでは、海外出張を1回に減らし、残りのインタビューは平成30年度の前半に実施するように変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究成果を英文にまとめ上げることができなかった。そのため、英文添削費用として計上していた人件費・謝金を使用しなかった。また、購入を申し込んだ複数の文献が年度内に入荷しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
5月末ごろに予約済みの文献が入荷する予定であり、そこで昨年度分の研究費を充てる予定である。
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