研究課題/領域番号 |
16K03528
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
吉田 敦 千葉商科大学, 人間社会学部, 准教授 (20559835)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 非合法貿易 / テロ / 麻薬 / イスラーム主義勢力 / 西アフリカ / サヘル / 政治的不安定性 / 紛争 |
研究実績の概要 |
初年度の研究目的であるサハラ・サヘル地域(地政学、非合法貿易、資源開発、紛争・暴力に関連した近年の学術研究動向)のサーベイ、および論点整理については、一定の成果をあげることができた。 特に、マリ共和国の近年における国内情勢の分析(2012年以降のイスラム主義勢力、トゥアレグによる北部地域制圧状況およびポストコンフリクト情勢)と西アフリカ地域における「国家横断的」経済ネットワークの現状把握(大西洋~西アフリカ沿岸諸国~サヘル~ヨーロッパへの密輸ルート)に関しては、主要な文献・資料の読み込み、現状分析を実施した。研究成果としては、非合法貿易の事例としてコカインなどの麻薬取引に焦点をあて、国際問題研究所の分析レポート(西アフリカにおける麻薬密輸ネットワーク―イスラム主義勢力との共存関係)として公表した。引き続き、同研究成果の一般書籍での公刊に向けて研究を継続中である。他方、海外の研究者との意見交換および現地フィールド調査に関しては、分析の進捗状況に鑑みて、未実施であったために平成29年度において随時進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画段階では、公表資料の不足が懸念されたが、予想以上の先行研究および報告、統計等の資料があることが判明し、現在のところ研究の進捗に支障はない。一方で、そのような研究動向の精査・読み込みをおこなうことで、研究課題の全体像の把握ができてきた。また、イスラム研究者および援助関係者、外務省関係者等とのサヘル情勢に関する意見交換も順調に実施している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、平成28年度の文献調査・研究、情報収集で得られた知見に基づき論文および公刊書の発表をおこなっていきたい。また、当該地域の安全性に配慮したうえで、現地フィールド調査を実施する予定である。平成28年度においては、サヘル地域における麻薬密輸ネットワークの分析に重点を置いていたが、平成29度では、その他の非合法貿易および政治的不安定性、資源開発の分野にも研究領域を拡大して論点整理を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に購入を予定していたPCを未購入であったため、当該予算に関しては次年度への繰越となった。また予定されていた海外機関ヒアリング調査に関しても国内での文献調査及び研究・分析、論文執筆に時間を割いたために次年度に繰越している。
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次年度使用額の使用計画 |
国内での文献調査および分析に一定の成果がでた時点で、平成29度および平成30年度に海外調査を実施する。
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