元来、アラブ連盟の評価として、この機構が英国の帝国主義的利害を反映して作られた組織であるという評価とアラブ諸国の国益の葛藤の場であったとのリアリズム的評価が中心的だった。しかし、前者に関しては英国への追随だけでなく、アラブ保守層が地域的な価値をめぐる葛藤に動かされていたこと、また後者に関しては、連盟が各国の国益の衝突の舞台となるだけはなく、アラブ連盟の存在が新たなアラブの域内的正当性の中心になった面があることが分かった。このことは、特に初期のパレスチナ問題をめぐる東アラブ諸国間の関係に示された。
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