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2016 年度 実施状況報告書

国際関係のアポリア問題とその解決方策についての基礎的研究- 理論と実践の架橋

研究課題

研究課題/領域番号 16K03539
研究機関京都女子大学

研究代表者

市川 ひろみ  京都女子大学, 法学部, 教授 (50281754)

研究分担者 松元 雅和  関西大学, 政経学部, 准教授 (00528929)
上野 友也  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (10587421)
初瀬 龍平  京都女子大学, 法学部, 客員教授 (40047709)
杉木 明子  神戸学院大学, 法学部, 教授 (40368478)
佐藤 史郎  大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40454532)
池田 丈佑  富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (50516771)
菅 英輝  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60047727)
清水 耕介  龍谷大学, 国際学部, 教授 (70310703)
杉浦 功一  和洋女子大学, 人文社会科学系, 准教授 (70453470)
高橋 良輔  青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (70457456)
松田 哲  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (80319441)
戸田 真紀子  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (40248183)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアポリア / 規範理論 / ポストモダン / 兵役拒否 / 人道支援 / 平和構築 / 平和主義 / ジェンダー
研究実績の概要

平成28年度は、理論班は、国際政治理論(ポストモダン)、政治哲学(平和主義)、正義論(規範理論)、国際倫理とグローバル倫理、などの観点からアポリアに関する理論を整理する観点から研究を進めた。アポリアとは、アイロニー(困惑:当初の想定にない帰結)、アンチノミー(二律背反)、ディレンマ(葛藤)、パラドクス(逆説:当初の想定と反対の帰結)である。

事例班は、国際関係のイシューに内在するアポリアを発掘して、その特徴を抽出する作業を行った。研究当初予想していた以上に数多くのアポリアの事例があることに気づいた。分担者はそれぞれ、兵役拒否、内戦と軍事介入、平和構築、大量破壊兵器、難民/国内避難民、人道支援、ジェンダーについて報告した。個々のテーマにおいて、複数のアポリアを抽出することができた。報告を通じて、アポリアを捉える際には、時間的経過、空間的限定、対象(ある人にとってのアポリアは、他の人にとってはアポリアではないなど)を明確にする必要があることに気づいた。

研究会を京都女子大学にて3回開催した。1回目(7月9日・10日)は、全体を概観し、分担者間での共通認識を基盤とするため、各自がそれぞれの観点からアポリア研究の方向性について報告した。2回目(12月17日・18日)・3回目(1月21日・22日)の2回の研究会では、各自がそれぞれの分担部分についての報告を行った。第3回の研究会では、第1回、第2回の研究会を通した議論を踏まえ、今後の研究の進め方について議論した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究会において共同研究者による報告・討論が活発に行われ、おおむね順調に研究を進めることができている。ただし、本研究の鍵概念であるアポリアについては、当初想定したよりもより多くの事例が抽出され、複雑かつ重層的なとらえ方ができることに気づいた。そのため、今後の研究の進め方を改めて検討する必要が生じている。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、平成28年度の研究によって明らかになった課題に取り組むため、研究の進め方について検討する。その上で、理論班と事例班は共同でアポリアの分類化と類型化を行う。理論班と事例班は、前年度に事例班が抽出したアポリアの分類化(アイロニー、アンチノミー、ディレンマ、パラドクス)を共同で行う。また、アポリア間の関係性についても検討する。また、理論班と事例班は、アポリアの分類化を踏まえつつ、アポリアを類型化(概念内在型、行為内在型、構造内在型)して、アポリア研究の理論化を試みる。

研究会を京都女子大学にて2回開催する。各回の研究会では、各自がそれぞれの分担部分についての報告を行う。各回でゲストスピーカーにコメントをお願いし、議論を深める。
理論班と事例班のなかからメンバーを選定して、日本国際政治学会あるいは日本平和学会、米国国際関係学会で報告を行う。

次年度使用額が生じた理由

物品費(図書費)の支出が計画より少ないのは、各自の研究を進めるにあたって、これまでの研究蓄積があったためと思われる。旅費の支出が計画より少ないのは、研究分担者が体調不良などのため京都で開催された研究会に出席できなかったため。

次年度使用額の使用計画

物品費(図書費)については、平成28年度の研究を踏まえ、研究の進め方の見直しに沿った支出となるよう平成29年度に使用する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 兵士の視点から考える戦争―戦場の「被害者」と選択的兵役拒否2017

    • 著者名/発表者名
      市川ひろみ
    • 雑誌名

      平和運動

      巻: 552 ページ: 2-16

  • [雑誌論文] ルワンダのガバナンスに対する国際関係の影響- 総合的な検証へ向けた一試論2017

    • 著者名/発表者名
      杉浦功一
    • 雑誌名

      和洋女子大学紀要

      巻: 第57集 ページ: 41-52頁

    • DOI

      10.18909/00001405

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] グローバル・ガバナンスの「民主化」は可能か?2016

    • 著者名/発表者名
      杉浦功一
    • 雑誌名

      グローバル・ガバナンス

      巻: 第3号 ページ: 18-33頁

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 国際協力NGOのアドボカシー・ポリティクス――シンボルからアレゴリーへ――2016

    • 著者名/発表者名
      高橋良輔
    • 雑誌名

      生活経済政策

      巻: 232 ページ: 24-28頁

  • [学会発表] 生存基盤指数―温帯パラダイムを越えて―2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤史郎
    • 学会等名
      グローバル・ガバナンス学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2016-10-08 – 2016-10-08
    • 招待講演
  • [学会発表] アドボカシーの形態学――国際協力NGOの葛藤」2016

    • 著者名/発表者名
      高橋良輔
    • 学会等名
      日本政治学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2016-10-02 – 2016-10-02
  • [学会発表] Nuclear Disarmament and Nuclear Umbrella in US-Japan Relations2016

    • 著者名/発表者名
      Shiro Sato
    • 学会等名
      European Association for Japanese Studies (EAJS)
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2016-09-24 – 2016-09-24
  • [学会発表] ルワンダのガバナンスに対する国際関係の影響の検証2016

    • 著者名/発表者名
      杉浦功一
    • 学会等名
      国際開発学会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス
    • 年月日
      2016-06-11 – 2016-06-11
  • [図書] 国際関係論の生成と展開―日本の先達との対話2017

    • 著者名/発表者名
      初瀬龍平、戸田真紀子、松田哲、市川ひろみ編著
    • 総ページ数
      387
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] 冷戦と「アメリカの世紀」―アジアにおける「非公式帝国」の秩序形成2016

    • 著者名/発表者名
      菅英輝
    • 総ページ数
      352頁
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2018-01-16  

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