研究課題
基本モデル(アウトサイドオプション付きチープトークモデル)の研究については、離散モデルに関するこれまでの研究成果を踏まえ、異なるアクションからのペイオフの間に負の相関があると、各次元の利益相反(アクションバイアスとパンダリング)の程度と情報伝達の程度の関係が非単調であるとの結果を定式化した。更に、この相関が負に傾く程に、意思決定者が専門家に意思決定権限を委譲する利益が少なくなるとの結果も定式化した。これらの成果を、2018 EEA-ESEM(8月、ドイツ)やEARIE 2018(9月、ギリシア)らの 国際学会で発表し、且つ、京都大学経済研究科ディスカッションペーパーとして公表し、本研究の重要性の発信に努めた。一方、応用研究については、専門家だけでなく、意思決定者も意思決定に関連する情報を持ち、且つ、メッセージを発することを想定する双方向コミュニケーション(つまり、両者が逐次情報を発信し合う)の予備的モデルを、Crawford & Sobel(Econometrica誌、1982)をベースに構築し、ベイジアンナッシュ均衡を求め、利益相反と情報伝達についての基本モデルの分析結果を展開する下準備を行なった。加えて、意思決定者から専門家への情報発信が、専門家の情報発信に与える影響を探った結果、これを促進も阻害もしないとの中立性の結果を得た。この結果を、Japan-German Workshop on Contracts and Incentives(9月、大阪)といった国際ワークショップや、国内の大学(長崎大学、慶應大学)で発表した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Kyoto University, Graduate School of Economics, Discussion Paper
巻: E-18-007 ページ: 1-31
巻: E-18-001 ページ: 1-41
巻: E-18-001 ページ: 1-36
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~chiba/research.html