多数決のもとでの逐次交渉ゲームを、事前の投資によって認識確率が内生的に決まるという構造の下で分析した。対称的な純投資戦略不存在が知られていたが、本計画では、非対称純戦略均衡の例示とその解釈に基づいて、格差発生要因としての多数決ルールの性質の解明を目標とした。 非対称純戦略均衡は、一つのクラスとして表現可能であり、その中で、限定された対称性を持った均衡と、逆に極端な構造を持った均衡の導出に成功した。これらがもたらしうる格差の性質については、とくに、繰り返される場合の性質が一つのキーであり、理論的には交渉問題の政策イシュー空間への限定が有効であろうとの結論に至った。
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