研究課題/領域番号 |
16K03555
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研究機関 | 尾道市立大学 |
研究代表者 |
中谷 武 尾道市立大学, その他部局等, 学長 (40093281)
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研究分担者 |
中村 保 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (00237413)
大住 康之 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (10223819)
井本 伸 尾道市立大学, 経済情報学部, 教授 (50369196)
田中 淳平 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (60364147)
稲垣 一之 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (70508233)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 利潤率 / 偏向的技術進歩 / 資本収益率 / 所得分配 / 成長率 / イノベーション |
研究実績の概要 |
今年度は当初予定された3年間の研究期間の最終年度にあたる。そのため研究会の開催に加えて、研究成果を学会等で発表し論文や書籍として出版することが中心になった。その結果、2冊の書籍出版(1冊は英文)、14編の研究論文の出版(内6編は査読付き雑誌、3編は中国、メキシコ、欧米で出版された研究書に収録)、10件の学会や研究会での発表(内2件は中国での招待講演)である。しかし予定されていた英文での研究書の出版が次年度に繰り越しとなったため、本科学研究費助成事業を1年間延長することを申請(本年度の支出予定を次年度に繰り越し、追加の助成額はなし)して、3月に承認を受けた。 本年度の研究活動として共同研究者と行った研究会は以下の通り計5回であった。第1回:5月26日兵庫県立大学、報告者:田中淳平、第2回:9月12日名古屋学院大学、報告者1:田中淳平、報告者2:福田勝文、第3回:10月20日兵庫県立大学、報告者:三宅祐介、第4回:12月22日兵庫県立大学、報告者1:稲垣一之、報告者2:田中淳平、第5回:2月23日兵庫県立大学、講演者:永谷敬三(ブリティッシュ・コロンビア大学名誉教授)、報告者:田中淳平。 主な研究テーマは次のような問題である。(1)新古典派成長理論から得られる理論的結果が多くの国の長期データと必ずしも合致しないというPiketty(2014)の実証結果が、偏向的技術進歩を想定してより現実的な想定の下で成立することを理論的に検討する。(2)高齢化や非正規雇用の増大、高齢者の労働参加率の増大などの労働市場の変容が経済成長、所得分配、経常収支に及ぼす影響を理論的、実証的に検討する。(3)グローバル化の進展による資本制経済の市場競争の激化が長期的な成長や資本収益率、所得分配に及ぼす影響を、人口成長や技術進歩、固定資本の存在を考慮して検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の科研の実施期間で本年が最終年であるが、1年間の延長を願い出て許可を得た。これは研究そのものの遅れではなく、研究成果を英文で出版する作業自体の遅延による。2冊の書籍、14編の論文、10件の学会、研究会等での発表が示すように、当初の研究計画自体はおおむね順調に進展しているので、さらに1冊の英文研究書を加えることで本研究をより多くの研究者に示しうると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
英文での研究書の出版を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成31年3月20日付けで科学研究費助成事業補助事業期間の延長承認を受けている。その理由は、主として、科研期間内で予定していた出版作業(著者Yasuyuki Osumi, Technology and Inequality in Macroeconomics, 出版社World Scientific Publishing, 約250ページ)等の遅延のためである。
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