研究実績の概要 |
2016年-2018年度の研究計画に基づき、以下のような研究を行った。 1.昨年度に引き続き、Asano and Kojima (2015) に基づき、Fehr and Schmidt (1999), Rohde (2010), Saito (2013)などの研究で提示された不平等回避モデルを、幾何構造を持つショケ期待効用によって拡張する研究を進展させた。この発展形としてbelief functionの公理化に関連付けることに成功した。これは、いまだに満足な公理化のないbelief functionを、ショケ作用素によって公理化するものである。とりわけ、幾何構造を内生的に導出するところが特記すべき貢献である。また、本研究の応用として、上記のRhode (2010) に加えて、レオンチェフ型選好およびGilboa (1989) のモデルを公理化することに成功した。本研究は、2019年度に完成し、2020年4月に国際的学術誌に投稿した。 2.上記の研究成果と関連して、意思決定者の貨幣の保有動機に関する研究を進展させた。プロジェクト期間中に論文は完成しなかったが、2020年度中には論文を完成させ、国際的学術誌に投稿する予定である。 3.国内のワークショップで研究報告を行った。
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