今年度は、我々独自の公共財ゲームを組み立て実験室で実験を実行し、その成果を5本の論文としてまとめ、1本を国内ジャーナルに1本を海外ジャーナルに投稿した。そのうちの1本は既に論文に掲載されたが、最後の1本は海外ジャーナルのレフリーから頂いたフィードバックを基に論文を修正中である。今年度の基金は、主に上記の研究を遂行するための消耗品や旅行費の購入に当てられた。
公共財ゲームにおいて、そのゲームを数回繰り返しているにも関わらず、被験者の公共財への投資額が高い水準を維持するための実験デザインを組み立てた。具体的には、人々の行動を誘導させるような政策、つまりナッジと言われている正の効果を導き出すデザインである。その後、早稲田大学の政治経済学部の実験室にあるztreeというソフトウエアを使い、実験を行い、データを収集した。そして、データ分析を行い、国内外のワークショップ等で報告し、国内外ジャーナルに投稿した。現在はジャーナルのレフリーから頂いたコメントにある追加実験を実施した。そして論文を修正中である。なお、この研究を遂行するにあたっては、基金を用いてパーソナルコンピューターを購入した。また、基金は、論文執筆の際に、研究協力者との打ち合わせのための交通費に使われた。
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