本研究の目的は、インターネット移動通信サービスを供給する「広帯域無線産業」に競争環境を導入するための制度・システムを設計し、制度の基盤について分析を加えることである。日本の同産業では、規模の経済と規制当局による電波の直接配分の結果生じた「暗黙協調下の寡占」状態が続き、消費者・ユーザの高負担・不便・不公平に加え、産業成長の減速を招いている。 本研究では、とりわけ近未来での実現が予想されている「第5世代(5G)通信」の電波利用基盤において生ずる「自然独占問題」を検討し、独占の弊害を避けるために有用な「制度(メカニズム)」を提案した。
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