本研究は、ランダムな状態について私的な情報を持つ有限人のプレーヤーからなるゲームと、そのαコアと呼ばれる安定な協力解集合に関するものである。前半では、各プレーヤーの行動空間がコンパクト距離空間、私的情報が独立なσ加法族、利得が状態と全プレーヤーの行動選択の関数であり、私的情報と整合する私的戦略の事前期待利得を厚生水準とするとの仮定の下で、全員が同意可能な戦略組(αコアの元)の存在を証明した。研究の後半では、私的情報のタイプモデルを用い、情報構造(事前確率)と利得関数をパラメーターとして同時に摂動した場合、ほとんどすべてのパラメーターについてαコアが安定であることを証明した。
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