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2019 年度 実施状況報告書

日本における相互扶助の経済思想の現代史的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03573
研究機関愛媛大学

研究代表者

松野尾 裕  愛媛大学, 教育学部, 教授 (30239058)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード賀川豊彦 / 協同組合 / 報徳運動
研究実績の概要

本研究は、近代日本における相互扶助の思想と、そこから具体的に構想された生活改善のための社会運動や事業活動に着目し、それらの歴史的経験が現代の思想状況の形成にいかに寄与しているかを解明することを目的として、平成28年度より5ヶ年計画で進めているものである。第4年度の平成31年度は、①5月9~10日に、協同組合思想の普及と実践に関するフィールド調査として静岡県掛川市にある大日本報徳社を訪問し、報徳運動の歴史と現状及び掛川市のまちづくりについて聞き取りと資料収集を行った。②6月19日に松山大学の担当科目「地域と福祉」において、平成30年度の成果として刊行した松野尾裕編『賀川豊彦生活協同論集』をテキストにして、生協総合研究所研究員の小塚和行氏を招き協同組合の現代的意義をテーマとするセッションを行った。③7月3~5日に、本年度2つ目のフィールド調査として群馬県吾妻郡草津町にある聖バルナバ教会及び国立療養所栗生楽泉園を訪問し、明治から昭和前期に草津町湯ノ沢に形成されたハンセン病者を中心とした自治区における生活自立について聞き取りと資料収集を行った。④10月19日に賀川豊彦記念松沢資料館主催の第11回賀川豊彦松沢フォーラムにおいて、5月に実施したフィールド調査に基づく報告「『経済門』と『道徳門』をつなぐ思想と実践―協同組合運動の源流を訪ねて―」を行った。⑤年間を通して、これまでに発表した諸論文をまとめて加筆・修正する作業を継続して行い、それらを3月末に出版社へ送った。最終年度中に書籍として公刊する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)フィールド調査とそれに関連する文献・資料の収集については3件を計画していたが、年度末に予定していた千葉県での大原幽学に関する調査は、新型コロナウイルスの感染拡大によりやむを得ず中止した。(2)研究成果が生協総合研究所等により注目されたことは、研究成果の社会還元として評価できる。(3)研究全体の最終報告として、既発表の諸論文を加筆・修正するとともに最新の研究成果を盛り込んだ原稿を作成し、最終年度中に書籍として公刊することとなったことは大きな成果である。以上のことから、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると評価する。

今後の研究の推進方策

最終年度にあたり、引き続き年度計画に従って研究を推進する。昨年7月に群馬県吾妻郡草津町で行ったフィールド調査にもとづくシンポジウムを計画しており、新型コロナウイルスの感染終息の状況を見て具体的な日程等を決めることとなる。これまでに発表してきた論文を含む研究全体の取りまとめとしての書籍は、順調にすすめば12月までに刊行する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた書籍・資料購入の一部を見合わせたこと、また予定していたフィールド調査のうち1件を新型コロナウイルス感染拡大のため中止したこと等により未使用の金額が生じた。これらは、次年度に予定している最終研究成果報告である書籍の刊行経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「経済門」と「道徳門」をつなぐ思想と実践―協同組合運動の源流を訪ねて―2020

    • 著者名/発表者名
      松野尾 裕
    • 雑誌名

      雲の柱

      巻: 34 ページ: 57-89

    • 査読あり
  • [学会発表] 「経済門」と「道徳門」をつなぐ思想と実践―協同組合運動の源流を訪ねて―2019

    • 著者名/発表者名
      松野尾 裕
    • 学会等名
      賀川豊彦記念松沢資料館賀川豊彦松沢フォーラム

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公開日: 2021-01-27  

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