• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

国際経済秩序と平和に関するカール・ポランニーの制度主義的アプローチの展開

研究課題

研究課題/領域番号 16K03577
研究機関大阪市立大学

研究代表者

若森 みどり  大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20347264)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワードポランニー / 擬制商品 / 産業文明 / 『大転換』
研究実績の概要

新型コロナ感染症拡大の波が何度も押し寄せる中で対面の出張はかなわなかったが、オンライン開催で行われた学会・研究会での報告、論文執筆、翻訳などの形で研究を継続してきた。
今年度は、第一に、カール・ポランニーをポスト新自由主義の思想として発展的に理解する国際研究――メンデルのコモンズに関する研究やフレイザーの社会的再生産の理論--を踏まえて、ポランニーの擬制商品論およびオウエンへの高評価が「ケアの倫理」の論点と関連している点を確認した。
第二に、ハンガリーの地政学的な位置とポランニーの思想形成の特徴という観点から、ポランニーの自由論--とりわけ彼の欧米列強とロシアとのパワーバランスのなかで翻弄される「小さな諸国や地域」の視点、欧米列強とロシアの産業文明への晩年の批判的な考察について―-まとめ、報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロカ感染症拡大の波が何度も押し寄せる中で対面の出張はかなわなかったが、オンライン開催で行われた学会・研究会での報告、論文執筆、翻訳などの形で研究を継続してきた。

今後の研究の推進方策

本研究は、ポランニーの擬制商品の枠組みの包括性を理解する視座について、その重要性を指摘してきた。『大転換』は、擬制商品市場の危うい動向には、経済危機、食糧危機、通貨危機、財政危機、ケアの危機、気候危機、そして平和の危機と国際システムの瓦解と転換の契機が凝縮して表現される点を、指摘していた。『大転換』にこめられた自由・生存・平和の諸条件について確認しつつ、ポランニーの主著の現代的意義を問う。これまでの研究成果を踏まえて、翻訳作業を前進させる。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による出張制限、健康状態などに配慮した結果、オンライン中心の研究活動となった。また、大学再編にともなって図書の扱いなども変わることが見込まれたことから、書籍の購入について先送りした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 「ケアの倫理」と擬制商品の脱商品化――資本主義における社会的再生産の位置を問う2022

    • 著者名/発表者名
      若森みどり
    • 雑誌名

      関西大学『経済論集』

      巻: 71 ページ: 207-223

    • オープンアクセス
  • [学会発表] カール・ポランニーの自由論2022

    • 著者名/発表者名
      若森みどり
    • 学会等名
      2021年度ハンガリー学会年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 〈コモン〉再生の福祉思想2021

    • 著者名/発表者名
      若森みどり
    • 学会等名
      2021年度経済学史学会年次大会
  • [学会発表] 合評会 橋本努著『自由原理』を読む2021

    • 著者名/発表者名
      若森みどり
    • 学会等名
      経済学史学会北海道部会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi