多くの民主主義社会では、経済政策の多くは、多数の有権者による公共的な選択の結果として実現される。したがって、経済政策形成のメカニズムを考察するためには、一般社会において広く共有されているような思惟、すなわち「社会的認識モデル」とは何かを明確にすることが必要である。他方で、専門家の世界においても、ある経済政策の是非についての判断は、決して一様ではない。それは、経済政策は本質的に、特定の価値判断や世界観を前提とせざるを得ないからである。それが、本研究が提起する「政策生成プログラム」であり、その競合である。古典的自由主義とケインズ主義は、その意味での異なった政策生成プログラムである。
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