研究課題/領域番号 |
16K03584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
石井 穣 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10587629)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ジョン・バートン / マルサス / 古典派経済学 / 救貧法 / 植民 / 穀物法 / 自作農 / 資本蓄積 |
研究成果の概要 |
本研究は、ジョン・バートン(John Barton 1789-1852)の、これまで余り検討されてこなかった著作を検討し、経済学者としての全体像を明らかにすることを目的に進められた。バートンは機械導入が雇用に及ぼす影響を先駆的に考察した経済学者として取り扱われることが多かったが、その考察は救貧法、海外植民、穀物法など、当時の主要な諸政策課題に及んでいる。本研究はこのような観点から、1820年以降のバートンの著作を中心に検討を進め、当時の貧困問題についてのバートンの分析および政策提言を取り扱った。そしてマルサス人口法則への評価を軸に、経済学者としてのバートンの新たな側面を明らかにした。
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自由記述の分野 |
経済学史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、バートンは1820年代以降、貧困問題を考える理論的基礎として、マルサス人口法則を重視するようになった一方、政策的にはマルサスとは異なる立場を取るようになったことが明らかになった。バートンは貧困こそが人々を無思慮にすると考え、寛大な政策こそが望ましいと主張し、救貧法に対してマルサスとは対照的な評価を行った。植民に関する提言では、自作農の創設を重視する立場が示された。また穀物価格と死亡率との関係から、穀物法を支持する独自な主張も展開していた。本研究は、マルサスとの関係を軸にバートンを再評価しうることを示すとともに、資本蓄積および貧困に関するバートン独自の視点を明らかにした。
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