研究課題/領域番号 |
16K03586
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / ブリテン / 啓蒙 / 経済思想史 / アダム・スミス / アイルランド大飢饉 |
研究実績の概要 |
東北大学で2016年5月に開催された経済学史学会第80回大会にて、「古典派経済学とアイルランド大飢饉」との題目で研究発表を行った。続いて米国のDuke Universityで6月に開催されたThe 43rd Annual Conference of the History of Economics Society (HES)にて、‘Adam Smith, John Stuart Mill and the Great Irish Famine’との題目で、また明治大学で9月に開催されたInternational Conference on Economic Theory and Policyでは、‘Classical Economic Theory and Policy during the Great Irish Famine’との題目で研究発表を行った。いずれも文明の発展段階と経済学の関わりについて考察する上で、18世紀スコットランドだけに視野を限定することなく、19世紀アイルランドとの比較史の観点を提供する研究であり、道徳と市場経済の関係について考察する上で、研究射程を拡げることが出来た。
並行してJournal of the History of Economic ThoughtにBrian Bonnyman, The Third Duke of Buccleuch and Adam Smith (2014)の書評を執筆した。また『社会思想史研究』にロンルド・L・ミーク著『社会科学と高貴ならざる未開人―18世紀ヨーロッパにおける四段階理論の出現』(2015年)の書評を、またHistory of Economic ThoughtにLars Magnusson, The Political Economy of Mercantilism (2015)の書評を掲載した。
アダム・スミス研究としては、東洋大学で12月に開催されたシンポジウム「18世紀ブリテン世界におけるコスモポリタニズム―ヒューム、スミス、バークの所論から」にて、「経済思想史における国家、ネイション、コスモポリタニズム―重商主義からアダム・スミスを中心に」との題目で、また北海道大学東京オフィスで2017年3月に開催された「戦争と平和の経済思想」第2回研究会では、「礫岩政体、自然法、通商―近世欧州の戦争と経済」との題目で研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「平成28年度の研究実施計画」から細部が変更されたものの、アダム・スミスについての研究書の執筆を継続した。6月の北米経済学史学会 (HES) での個別研究報告の後、夏季にはスコットランドのエディンバラ大学、およびスコットランド国立図書館 (NLS) において資料収集等を行い、大学院時代の指導教官であった Nicholas Phillipson 氏等、エディンバラの研究者と意見交換を行うことも、研究実施計画の通りに実行出来た。
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今後の研究の推進方策 |
アダム・スミスについての研究書の執筆を継続する。並行して2017年6月の北米経済学史学会 (HES) において個別研究報告を行う。夏季には昨年に引き続き、英国エディンバラで短期の在外研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に旅費がかさむため、多少の予算を残して支出した。
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次年度使用額の使用計画 |
交付申請書の研究実施計画で記した通り、海外での学会発表と夏季の在外研究の費用として用いる計画である。
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