研究課題/領域番号 |
16K03590
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
劉 慶豊 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60378958)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | モデル選択 / モデル平均 / 情報量基準 / 最適性 / 非線形モデル / GARCHモデル / ファクター抽出 / Diffusion Index model |
研究実績の概要 |
今年度においては以下の3つの方面で成果をあげました。 1、非線形回帰モデルに関してモデル選択法とモデル平均法を構築しました。その成果を論文にまとめて、すでに学会などで報告し、学術誌に投稿しています。この研究では構築したモデル選択とモデル平均のための情報量基準にパラメーターの数だけではなくモデルの関数型の複雑さに関するペナルティーを導入したため、既存の方法より優れたパフォーマンスをもたらしました。論文では上述した方法の最適性などの性質を証明し、シミュレーション実験で上述した方法が既存の方法より優れていることを示した。 2、GARCHモデルに関してモデル平均法を構築しました。その成果を論文にまとめて、すでに 学術誌に投稿して掲載が確定されました。この研究では、次数の異なる複数のGARCHモデルのモデル平均法を構築し、モデル平均のための最適なウエイトを推定するための情報量基準を提供しました。理論上、そのモデル平均方によってKL情報量基準の最小化を実現できることを証明しました。さらに、シミュレーション実験で既存の方法と比較を行い、優れたパフォーマンスを示しました。 3、 高次元時系列データDiffusion Index (DI)モデルに関して ファクター選択法の構築に関して研究を展開しています。本研究は被説明変数の情報を取り入れたファクターの抽出法、MSFE (Mean-Squared Forecast Error)の最小化を目指す方法とDeep Learningによる高次元データのファクターの抽出の適用を検討して、次年度での論文作成のために準備を進めました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究では、新しいアイデアを導入して、当初の計画になかった大きな研究成果を多くあげました。一つは非線形回帰モデルのためのモデル選択法とモデル平均法の構築で、もう一つはGARCHモデルのためのモデル平均法の構築です。この二つの成果はモデル平均法の分野で独創的なもので、既存のモデル平均法を新しい分野へと拡張しました。 また、上記二つの研究の進行のために、当初計画の内容である、高次元時系列データDiffusion Index (DI)モデルのためのファクター選択法の構築が論文の作成まで持っていけなかったですが、論文の作成のための準備研究を十分に進めました。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には研究計画通り進めていきます。その上、新しいアイデアが出てくる場合、そのアイデアを十分に発展させて、当初の研究計画に過剰に束縛されることなく、より多くの研究成果を出せるように研究に努めます。
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次年度使用額が生じた理由 |
来年度以後に研究報告のための旅費の出費が多く予想されるため、今年度の物品費を節約して、来年度に回しました。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度以後の研究報告のための旅費として支出する予定です。
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