研究課題/領域番号 |
16K03595
|
研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
林 文夫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80159095)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ナウカスト / GDP / 月次予想 / DFM |
研究実績の概要 |
Nowcasting で用いられる標準的な手法である DFM (dynamic factor model)では、Kalman filter や EM algorithm と いったアルゴリズムを利用した最尤法によるモデル推定がなされる。これら一連の手法 (予測モデル、モデルの推定方法、推定の際のアルゴリズム)に関するかなり膨大な文献を読んだ。 ニューヨーク連銀は、DFMに基づいた Nowcasting を昨年から公表し始めたが、その責任者である Domenico Giannnone博士をニューヨーク連銀に訪れ、詳細について議論した。特に有益な知見は、月次系列がすでに入力されていれば、日次や週次の系列は、予測値にあまり影響を及ぼさない事であった。 ニューヨーク連銀の Nowcast は、月次・四半期・年次のデータしか利用しないとはいえ、それらのデータが公表されるのは、期末とは限らないため、Nowcast は、データが公表されるごとにアップデートされる。 プログラミングが本研究の中心になるが、今年度は、当初計画通り、入力系列が月次のみの場合にGDPの月次予測を行うプログラムを開発した。さらに、実際のデータではなく人工的に発生させたデータを使って、最尤法を試みた。最尤推定値は、データを発生させたモデルのパラメーターにかなり近い値になったが、この値に収束するまで、かなり時間がかかるので、プログラムの改良が必要だと思われる。プログラムで使った言語は Matlab であるが、次年度は、これを Rに移植する事を予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、初年度は文献のサーベイと月次モデルのプログラミングだったが、それらをほぼ達成できた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画の第2年度の作業を行うが、当初計画になかった作業も行う。初年度では、月次モデルをプログラムしたが、それは Matlab で行った。まずやることは、それを R という言語に移植する。Rに移る理由は、それが無料で利用可能である、ユーザーベースがより広いためである。それが終わり次第、当初計画通り、月次よりもより頻繁な頻度のデータ(週次、日時など)を利用して月次のGDPを予測するプログラムをRで書く。
|