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2018 年度 実施状況報告書

不確実なモデルによる経済時系列の予測

研究課題

研究課題/領域番号 16K03604
研究機関同志社大学

研究代表者

牧 大樹  同志社大学, 商学部, 准教授 (60423737)

研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2020-03-31
キーワード時変的特性 / 誤って特定化されたモデル / サイズの歪み / ボラティリティ
研究実績の概要

本年度は、ボラティリティのスピルオーバー効果が非線形の因果性検定にどのような影響を与えるかについて、昨年度から継続していた研究を行った。具体的には、円滑遷移モデルを使用した非線形因果性検定に対して、ボラティリティのスピルオーバー効果が与える影響を検証した。その結果、ボラティリティのスピルオーバー効果が存在するとき、因果性なしの帰無仮説を過剰に棄却することが示された。これらは、不確実なモデルによる時系列の予測を行うときの欠点となる。本研究は、学術誌に出版された。
次に、誤って特定化された条件付き平均と分散の存在下で、時変的な特性を検証する検定の統計的性質を検証した。事前に平均もしくは分散の時変的な特性を知ることは困難であり、分散が時変的な性質を持っているにも関わらず、誤って平均の時変的な性質を検定することが考えられる。また、平均が時変的な特性を持っているにもかかわらず、誤って分散の時変的な性質を検定することもありうる。そのため、誤って特定化された平均と分散の存在下における時変的な検定の影響を検証することは、不確実なモデルによる経済時系列の予測を行う際に重要な問題となる。分析の結果から、bootstrapによる平均の時変的性質の検定は時変的な分散のモデルに対しても頑健である一方で、分散の時変的な検定は、誤って特定化された平均の存在下ではあまり機能しないことが示される。本研究は、現在学術誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題が採択されてすぐに所属研究機関が変わり、新たな研究機関での基本設備を整えるために時間を要した影響が出ているためである。また、当初予想していた結果と異なる分析結果が出ることがあり、その解釈をするとともに再度プログラムを構築しなおして計算を行っているため、本研究課題の進捗状況はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度は、誤って特定化された条件平均において、どのような分析手法を使用すれば適切にボラティリティモデルの1つであるARCHモデルを検出することができるかを検証する。ノンパラメトリック回帰分析や多項近似を使用した回帰モデル等から、様々な平均の非線形時系列モデルに対してARCH効果を適切に検定できるかを明らかにする。この結果から、不確実なモデルに対して効果的なボラティリティ予測をするにはどうすべきかを示す予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該研究計画を進めるために必要なセミナー、研究会、学会に十分に参加できなかったため、当初の研究計画と変更が生じた。また、当初予定より分析の計算時間を要していることも理由として挙げられる。次年度では、追加的な設備を導入しつつ、関連の研究会や学会に参加することで、研究計画を早く進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Volatility spillover effect on nonlinear causality tests2018

    • 著者名/発表者名
      Daiki Maki
    • 雑誌名

      Far East Journal of Theoretical Statistics

      巻: 54 ページ: 407-425

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.17654/TS054040407

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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