研究課題/領域番号 |
16K03608
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池本 幸生 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20222911)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ソーシャル・ビジネス / コーヒー / マイクロクレジット / タイ / スペイン / ケイパビリティ |
研究実績の概要 |
平成28年6月26~27日に研究会を開催し、今後の研究計画について話し合い、タイおよびスペインでの現地調査を行なうこと、一橋大学で開催される「人間開発・ケイパビリティ学会(HDCA:Human Development and Capability Association )」に参加し、論文を発表することを重点に活動することになった。 人間開発・ケイパビリティ学会では、池本はタイのナリサラ・チヤレーンパンとともに「Social Business for Human Development: Widening Informational Basis」と題する共著論文を発表した。そのため、8月27日から9月5日にかけて、タイからナリサラを招聘した。このとき同時に、9月6日から14日に予定しているタイにおける現地調査について話しあった。 9月6日から14日にかけて、池本がタイに調査に行き、北部チェンライ県においてメーファールアン財団のコーヒー・プロジェクトに関して調査を行なった。このプロジェクトは、アヘン栽培を止めさせ、その代りにコーヒーなどを栽培させるもので、貧困解消とともに社会的目的を持ったものである。 1月7日~15日にかけて、研究協力者である坪井ひろみがスペインでマイクロクレジットの調査を行なった。このプロジェクトは、バングラデシュのグラミン銀行のマイクロクレジットが原型となっており、それが先進国でどのように生かされているかを調査するものである。特に、中南米やアフリカからの移民を社会に包摂することが課題となっており、グラミン銀行型のマイクロクレジットがいかに有効であるかを調べるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度初めの研究会で決めた通り、タイとスペインの調査を実施することができた。 また、9月には国際学会で論文を発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目は、治安に問題がなければバングラデシュの調査を行なう予定である。もし治安上の問題が起こった場合には、別の調査地で調査を行なう予定である。 国内では秋に国際シンポジウムを開催し、最終年度の成果の取りまとめに向けて進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
バングラデシュからの留学生であるサラ・ヤスミンが博士号を取得し帰国したため、新しい調査地での総合的な調査が可能となった。そのため、2年度目にバングラデシュでの調査を重点的に行なうことにし、次年度に予算を残すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者である松井範惇、坪井ひろみ、倉田正充が、現在、バングラデシュ農業大学に勤めているサラ・ヤスミンとともにバングラデシュで現地調査を行なう。
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