研究実績の概要 |
・平成28年度において、経済制度史の研究手法を活用し、計画経済期および市場経済移行期の2期に分けてそれぞれの時期における賃金政策および最低賃金制度実施の経緯・制度の仕組みをまとめた。研究結果を日本国内学会(中国経済経営学会)で発表し、研究論文が公刊された。また、ヒアリング調査に関する質問票を設計し、中国大連・北京の国有企業、外資系企業、民営企業の人事担当者(6人)を訪問し、ヒアリング調査に関するプリテスト(pre-test)を行い、ヒアリング調査に関する質問項目を改良し、調査票の最終版を作成した。 ・平成29年度においては、国有企業(2社)と外資系企業(4社)、民営企業(4社)の10社を対象とするヒアリング調査を実施した。これらの調査結果を学術論文としてまとめ、海外学会で報告し、学術専門誌に投稿した。また、計量分析に関するデータセットを構築した。 ・平成30年において、平成28年度および平成29年度の研究結果に基づいて実証研究を行った。具体的に説明すると、地域別最低賃金水準のデータおよび中国家計所得調査個票データを活用し、最新の要因分解モデルを使用し、最低賃金制度が出稼ぎ労働者と都市戸籍住民間の賃金分布に与える影響に関する計量分析を行った。また、これらの分析結果に基づいて学術論文を作成し、国内学会(中国経済経営学会)で報告し、国際シンポジウム(中国北京師範大学で開催された国際シンポジウム「中国家計所得調査30周年国際シンポジウム」)で招待講演を行い、国際学術論文誌(China Economic Review)に投稿した。さらに、平成28年度から平成30年度の研究成果をまとめ、単著学術書籍(Ma, X.(2018)Economic Transition and Labor Market Reform in China, Palgrave Macmillan.)を出版した。
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