研究課題/領域番号 |
16K03615
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
濱田 弘潤 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70323954)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際援助 / トランスファー・パラドックス / 世代重複モデル / 資本蓄積 / 政策的コミットメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,行動経済学の知見に基づき,望ましい国際的経済援助の在り方について,経済理論的観点から解明することにある.具体的には,援助国・被援助国に存在する利他性,互恵性,習慣形成や,援助効果についての認知バイアスを考慮し,実効性の高い国際援助はどうあるべきかを考察するための,理論的フレームワークを提供し,効果的な経済援助を考察することを目指している.令和元年度は上記のテーマに関して,以下の通り海外学会での研究成果報告1件と,大学紀要論文1本を,研究成果として挙げることができた. はじめに,[1] 2019年7月に,フランス,ストラスブールで行われたPET(Public Economic Theory) 2018において,論文報告を行った.報告論文,Hamada and Ogawa (2019)では,課税競争と越境購買に関する状況を扱い,従来扱われてきた2国モデルから3国モデルに議論を拡張することで,予想される均衡が存在しない可能性を分析し,越境購買行動に変化が生じる結果,特に大国から小国への税の移転が生じる結果について報告を行った.[2] 濱田 (2020)は,世代重複モデルを用いて賦課方式年金とその財源(所得税と消費税)に関する考察を行い,大学紀要にまとめたものである.本論文では1国内の年金制度についての議論しかできなかったが,現在この論文結果を,経済援助の存在する2国モデルに拡張し,認知バイアスと年金財源の分析を進めている途上である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では,4ヵ年の研究計画で実施され,研究の第2年目に,国際学会での成果報告及び,査読付き論文3本への掲載が既に決定し,計画年度の昨年度第3年目も,海外査読付き雑誌掲載,国際学会での成果報告,英文書籍の出版を実現できた.最終年度は,海外査読付き雑誌の掲載は時間的に叶わなかったが,国際学会での成果報告を行うことができた.研究課題について研究成果の着実な蓄積とその内外への発信が遅滞なく実現していることから,進捗状況は概ね順調に進展しているものと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度(令和元年度)で,本計画計画は終了させる予定であったが,新型コロナウイルスに伴い学会・研究会が非開催となったこともあり,令和2年度に研究期間延長の申請を行った.今年度は,可能であれば当初報告予定だった学会・研究会に参加し研究成果を報告すると共に,これまでの研究調査の実績を活かし,国際援助の理論的モデルから得られる本研究の結論を広く内外に紹介する予定である.これまで4年間の研究で得られた分析手法を応用・拡張すると同時に,これまでの研究で残された課題について引き続き考察し,研究成果の国内外での報告及び,査読付き論文雑誌への投稿を目指す予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,2020年2月,3月の学会・研究会がキャンセルとなり,研究旅費を次年度に繰り越す必要が出たため.
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