本研究では,望ましい国際的経済援助の在り方を,行動経済学の知見に基づき貿易理論,国際経済学の手法を用いて理論的に解明した.具体的には,援助国・被援助国に存在する利他性,互恵性,習慣形成や,援助効果についての認知バイアスを考慮した上で,実効性の高い国際援助はどうあるべきかを考察するための,理論的フレームワークを提供し,効果的な経済援助について分析を行った. 具体的な研究成果として例えば,援助国や被援助国の国民が世代間で親世代の生活に憧れを持つ習慣形成が存在する状況で,国際援助の有効性が習慣形成の強さによってどのように変化するのかについて研究成果をまとめた.
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