研究課題/領域番号 |
16K03622
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長山 浩章 京都大学, 国際高等教育院, 教授 (90446617)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 再生可能エネルギー / 指標 / フレキシビリティ |
研究実績の概要 |
本研究は、1年目の成果として太陽光発電、風力発電などVRE(Variable Renewable Energy:変動性再生可能エネルギー)を最大限導入するための電力システムのフレキシビリティー(柔軟性)構築のための施策についてVREの大量導入で先行する英国、アイルランド、ドイツ、ポルトガルの現地調査を行いその政策の比較を行った。これら成果はエネルギーフォーラム2016年11月から2017年3月までの5回の連載、及び共著「再生可能エネルギー政策の国際比較(第3章イギリスの再生可能エネルギー政策:2017年3月京都大学学術出版社刊)で掲載された。また各国比較を受け、我が国電力事業のシステム改革への適用可能な政策を提示し、今後の政策導入にあたっての課題を取りまとめた。具体的には研究の一部は2017年1月16日にIEA水力実施協定国内報告会(主催(財)新エネルギー財団及び(社)海外電力調査会)において、「電力システム改革以降の水力発電の評価されるべき価値」というテーマで基調講演を行った。また2017年2月28日に京都大学大学院経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 シンポジウムにおいて、「欧州の電力システム改革と再生可能エネルギー 英国の再生可能エネルギー政策」というテーマで発表を行った。 2017年3月末の本申請時点で、北陸電力を除く電力会社9社へのインタビューを行い、電力システムのフレキシビリティー(柔軟性)構築のための各社の現状についての調査を行った。これらの研究成果は、海外電力(海外電力調査会編)2017年4月号に論文「電力システム改革以降の水力発電の評価されるべき価値」として、掲載される予定である。また、エネルギーレビュー社2017年5月号に論文「我が国における『調整力公募』のありかた」にも基本的考え方が掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は、再生可能エネルギーの電力卸市場への統合と、中長期供給力確保のための施策についての包括的な研究を行う。電力セクター自由化で先行する英国、ドイツ、アイルランド、北欧、南欧など先行事例のベンチマーク調査を行い、その過程で再生可能エネルギーの大量導入のための指標(Indicators)を構築する。これを受け、2016年以降、小売り自由化、発送電分離と進む我が国電力事業への適用可能な政策を優先順位をつけて提示し、今後の政策導入にあたっての課題を取りまとめることが当初の目的であり、その第1年度として、欧州4か国の現地調査に加え、国内の電力会社9社を訪問し、2回の講演、9本の専門誌連載、1冊の書籍(章を担当)を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2年目も1年目と同様に、電力システムの「柔軟性」に焦点を当て現地調査、仮説構築、日本の電力会社との討議、提言作成を行っていきたい。
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