研究課題/領域番号 |
16K03627
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大内田 康徳 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (40321517)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経済政策 / 環境R&D / 競争政策 / 寡占モデル / ゲーム理論 |
研究実績の概要 |
現在,社会が環境低負荷型経済へと移行する必要性が広くそして深く浸透してきた。また,政府の「科学技術基本計画」においても「グリーン・イノベーション」は重点項目のひとつとなっている。その中でも環境配慮財やグリーンデザインの研究開発を推進しつつ国際的な技術優位性を高める必要性は極めて高い。さらに,中間財貿易の拡大に伴って多国籍化する企業も増加した。しかし,「独占禁止法のガイドライン」では,環境研究開発に関するルールは現在でもほとんど未整備の状態で,しかも国際化対応の知見も未熟である。本研究では,これまで研究知見の希薄だった領域に研究成果の蓄積を行い,グローバル化経済に対応した競争政策のデザインに大きく寄与することを主たる目的としている。 平成28年度は、先行研究のサーベイとして寡占企業のR&D投資や環境分野での投資行動を分析した文献を丁寧に精読した。また、国際貿易分野における理論・実証研究の成果の把握と国際的競争の激化にともなう競争政策上の重要論点の整理を行った。そのうえで、基礎研究ではあるが、企業の環境分野での社会的責任活動(環境CSR活動)やカルテル行為を組み込んだ新しい環境R&Dモデルの構築を行い、試行的な解析作業を断続的に行った。これらの基礎段階での研究成果は、次年度において、国内外の大学で開催する研究会や全国規模の学会などで報告し、さらに国際的に評価される専門ジャーナルへ投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所期の目的に対して、基礎段階および関連研究などおおむね順調に進展し、次年度以降での更なる発展につながる感触を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
所期の計画を進めるにあたって、常に国際的な研究動向にも注視しながら国際的に競争力のある成果が得られるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
現実の競争政策上の課題を把握する作業に時間を要し、さらに国際的に評価されるジャーナルに掲載された最新の研究動向を反映させる作業を余儀なくされた。そのため、英文校閲や成果の発表などを次年度に実施することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
英文校閲や成果の発表などを次年度の早い段階で実施する。研究遂行や事業の実施可能性が揺らぐものではない。
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