研究課題/領域番号 |
16K03630
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
実積 寿也 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20325690)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | スマート社会 / ブロードバンドエコシステム / OTT / ネットワーク中立性 / 産業政策 |
研究実績の概要 |
OTT産業とネットワーク事業者とのレイヤ間競争の分析については、リアルテックとよばれるトレンドが進行中の不動産業界について分析を行い、論文として取りまとめた。また、コンテンツ事業との関係をメインテーマとして、著書『OTT産業をめぐる政策分析』をとりまとめた。さらに、これまでの研究結果と統合することでレイヤ間競争を記述する構造モデルのコンセプトを構築し、平成30年1月にPTC'18において報告し、有識者と意見交換を行った。本件については平成30年度において引き続き精緻化を図る予定である。 ネット中立性原則の位置づけ調査については、平成28年度に引き続き文献調査を中心に分析を継続していたが、平成29年12月に現実のものとなった米国政府の大きな政策変更に対応するため、年度末にかけて情報収集・分析に多大な労力を傾注した。分析結果については、研究会等で報告し、有識者との意見効果を行い、精緻化を図るとともに、国際大学GLOCOMよりディスカッションペーパー(「ネット中立性規制ver.4へ―ネットワーク中立性3.0の世界―」)を作成・公表している。本件については、平成30年度に論文として公刊すべく準備を進めている。 ゼロレーティングをめぐる途上国の状況については、前年度に引き続き文献調査を継続している。また、本邦MVNOが同種サービスの導入を始めていることを踏まえ、ネットワーク中立性原則との関係性について論文をとりまとめ情報法制研究誌で報告するとともに、同サービスに対する需要動向を調査するためにコンジョイント法をベースとしたアンケート調査を実施した。調査結果については、ブロードバンド事業者が行う回線品質制御に関する消費者の評価についての情報と合わせ、平成30年度に学会等の場で報告を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本問題に対する議論を先導する米国において大きな政策転換が発生し、産業構造の大きな変化が引き起こされることが予想され、文献調査等において一定の追加作業等が必要となったが、全体としてはおおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
最適エコシステムを実現するための規制枠組みの変更については、理論モデルの精緻化や本年度に学会報告等で公表する市場実態調査の結果等を踏まえて検討を行う。 平成28年度に実施したアンケート調査のフォローアップについては、平成29年度に実施したアンケート調査や米国における政策変更を踏まえ、実施タイミングを含めて再検討を行う。 中間成果の報告については、学会・研究会・シンポジウム等における口頭報告や論文投稿を通じて積極的に対応する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)予定していた人件費・謝金等が不要だったため。 (利用計画)残額は少額であり、次年度にて英文校正などに充てる予定である。
|