研究課題/領域番号 |
16K03632
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丸山 幸宏 長崎大学, 経済学部, 教授 (30229629)
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研究分担者 |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 教授 (30264196)
山口 純哉 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40325692)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域経済学 / 地域中核的人材 / DEA(包絡分析法) / 効率性評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在、生産や経済を維持できないほど人口の減少が著しい多くの自治体において、それでもなお地域に根付きつつ、地域再生を担う中核的人材を効率的に生みだす育成プロセスを定量的に明らかにするため、動的ネットワーク包絡分析法を導入することにより、各教育機関の評価と同時に、育成プロセスの全体を評価する新しい概念・手法を導入することである。 研究計画・方法としては、(1) 各教育プロセスにおける基礎データの洗い出し、(2) 地域の各教育プロセス主体(小学校、中学校、高等学校、職業高校、大学、専門学校等)をノード化したネットワーク構造のモデル化、(3) 実態調査をもとにするベンチマーク用参照モデルの探索およびキャリブレーション、(4) 動的ネットワークDEA 分析による効率化比較実験、(5) 政策課題抽出手法の一般化、(6) 効率性の決定要因分析、という一連ネットワークDEAおよび回帰分析を用いた「教育プロセスの総合的評価」に関する研究と、並行して行われる、現在も発展を遂げつつある動的ネットワークDEA 分析手法の当該対象への適用についての「理論的・手法的開発」の研究、および、「実態調査」に分かれるが、いずれも相互に関連を持つ。 平成30年度には、上記の研究計画・方法の「教育プロセスの総合的評価」に関する研究の内、(1) 各教育プロセスのための基礎データの収集を行った。同時にネットワークモデルのノードとなる主体、およびそれへのインプット、アウトプットの整理を再検討した。さらにネットワークDEAをはじめとする数理計画的分析手法の研究とともに実態調査準備で候補化される現実の小地域からの情報の取集を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は「教育プロセスの総合的評価」に関する研究の内、各教育プロセスのための基礎データの収集を行い、またネットワークモデルのノードとなる主体、およびそれへのインプット、アウトプットを整理することができ、数理計画的分析手法の研究とともに実態調査として候補化された現実の小地域からある程度の情報をもとに、モデル化を行うことができたが、さらに広い複数の地域の効率性比較分析まで行えていない。予定では政策手法として提言可能な手法として整理を行うとともに実務家も利用可能なツール化の検討を開始するとしているが、それらの開始が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、理論研究、およびモデル化手法の開発については、引き続き最近までの研究成果をサーベイし、実態調査については複数の地域の効率性分析を行うために、複数のより広い地域の情報を収集したい。次に地域間比較実験について、動的ネットワークDEA分析による複数地域の教育プロセス効率性比較分析に取りかかり、政策手法として提言可能な手法として整理を行うとともに実務家も利用可能なツール化の検討を開始したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
各層の基礎データ収集は特定の小地域に限定されたので、収集費用が予定より少額で済んだためである。平成31年度は複数の地域におけるデータ収集のための費用がかさむと予想されるため、次年度使用額はその収集に充てる予定である。
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