研究課題/領域番号 |
16K03648
|
研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
筑井 麻紀子 東京国際大学, 商学部, 教授 (40275798)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 産業連関分析 / 環境経済学 / 地域間比較研究 / 中国 / 政策 / 地域経済学 / 計量経済学 / 政策シミュレーション |
研究実績の概要 |
平成28年度は2つの方向から研究のアプローチを進めた。第1には、中国の産業部門別廃棄物排出量の推計である。以前より推計を進めてきた2007 年版日中地域間廃棄物産業連関表をベースに、最終処分量の推計方法を検討した。まず、その第1歩として、中国におけるリサイクル率についてのシナリオ分析を行った。日本の1996年から2012年までの産業廃棄物の分類別リサイクル率の変遷を元に、3つのシナリオを設定し、中国における最終処分対象量の推計を行い、平成28年度10月の27th PAPAIOS 2016 Conferenceにおいて発表した。この取り組みを通じて、大まかな最終処分量の概算の推計が可能となった。 次に、多地域間廃棄物産業連関分析に発展させるにあたって、観光の影響について分析した。観光の対象と成る国からみると外国人観光客の国内需要は輸出に該当する。観光需要が誘発する産業廃棄物量について、まず中国を含めた東アジアの国々が京都を訪問した場合の影響を推計した。この研究は平成28年度10月のEcoBalance 2016において発表したが、京都で確立したノウハウを各都道府県に広げることにより、輸出部門として無視できない大きさを持つ観光客の消費活動の影響を分析するための基盤を作り上げることができた。 また、日中地域間廃棄物産業連関表を中国を中心とした多地域間廃棄物産業連関表に発展させるために、複数の国際産業連関表の長所と短所を把握した上で、比較検討を進め、ベースとなる多地域産業連関表の選定を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観光の影響について分析を先行して進めたため、こちらの方面では成果が得られたが、当初計画されていたベースとなる多地域産業連関表の選定がいまだ進行中であり、ベース表の決定には至っていない。また、中国の廃棄物関連の統計資料の検討も進行中であるが、予想以上に予算と時間がかかることが判明したため、さらに効率の良い方法をどのように進めるか検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は当初の予定で優先順位の高かった、ベースとなる多地域産業連関表の選定と中国の廃棄物関連の統計資料の検討を優先的に進め、同時に中間的な成果発表を精力的に進めて行く。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に行った前倒し申請時に必要だった金額が約250,000円だったが、手続き上300,000円の申請を行ったためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に行った繰り越し申請が、中間的な成果発表として国際学会誌に投稿していた論文の査読結果が届くのが、平成29年度に持ち越されたため、申請時の計画通りに戻し、国際学会誌への掲載に用いる。
|