• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

企業間ネットワークとイノベーション、生産性に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03659
研究機関専修大学

研究代表者

金 榮愨  専修大学, 経済学部, 准教授 (50583811)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードオープンイノベーション / 企業間取引ネットワーク / 自動車産業 / 系列取引 / 企業内取引
研究実績の概要

現行の国際的な研究の流れに関するサーベイを続けながら、1年目に構築したデータを活用した分析を進め、結果を得ており、国内外の研究会やワークショップで発表を行った。そのうち、主な結果は以下の通りである。
(1)事業所企業統計及び経済センサスのデータから構築された、日本のビジネスグループのデータセットを分析し、日本におけるビジネスグループの現状を分析した。また、イノベーションにおけるビジネスグループのプレゼンス及び役割を分析した。先進国としては例外的に日本ではビジネスグループの役割がイノベーションの面でもきわめて大きかった(分析結果は近日中にdiscussion paperとして公表する予定)。
(2)企業間取引関係とオープンイノベーションへの参加の関係を分析した。サプライヤーが多いネットワークで企業はオープンイノベーションに参加する確立が高いが、カスタマの多い場合は逆の効果があることなどが分析から明らかになった(分析結果は近日中にdiscussion paperとして公表する予定)。
(3)自動車産業における組み立てメーカとサプライヤーの取引関係の形成と解消、それらが企業パフォーマンスに与える影響などを分析した。分析結果は、部品のコモディティ化、系列調達の希薄化などが観察され、それに成功した部品メーカは規模が大きくなり、生産性も上がったこと、そうでない企業の生産性は逆に下がったことなどが観察された。分析結果は国際コンファレンスで発表をし、学術ジャーナルに投稿予定である。
(4)企業の垂直統合型の展開における企業内取引が文献などから推測されるより極めて限られており、巨大な一部企業に限られていること、したがってIOデータを用いた従来の研究の有意性は限定的であることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内外での研究発表を通して、有益なコメントと発展可能性への示唆をいただいている。また、完成に近い研究は改訂しながら学術ジャーナルへの投稿の準備をしている。

今後の研究の推進方策

研究の最終年度として研究成果の発表と学術ジャーナルへの投稿を優先する。2018年度もいくつかのコンファレンスで研究結果を発表する予定である。いくつかの論文は完成度を高める。
また、これらの通じて形成した国内外の研究者を通して、今後の研究の発展と連携の可能性を探る。

次年度使用額が生じた理由

以下の二点によって、2017年度の予算のうち、2018年度の使用額が生じた。
(1)2017年度、作業用のデスクトップPCの不具合のために、急遽予算を前倒しして新しく作業用のデスクトップPCを購入したが、値下がりと割引などによって、当初の予想より低価で購入できた。
(2)論文の作成・発表用のノートパソコンの劣化により、購入の必要性があったため、2018年度使用額を残した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Cross-border Vertical Integration and Intra-firm Trade: New Evidence from Korean and Japanese Firm-level Data2017

    • 著者名/発表者名
      Hyunbae Chun , Jung Hur , Young Gak Kim and Hyeog Ug Kwon
    • 雑誌名

      Asian Economic Papers

      巻: 16 ページ: 126

    • DOI

      Asian Economic Papers

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Productivity Dynamics in Japanese Small and Medium-Sized Enterprises: An Empirical Analysis Based on Credit Risk Database2017

    • 著者名/発表者名
      YoungGak KIM
    • 学会等名
      CAED (Comparative Analysis of Enterprise Data)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi