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2017 年度 実施状況報告書

価値あるイノベーションにおける組織管理の重要性:企業個票データによる定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 16K03661
研究機関中央大学

研究代表者

羽田 尚子  中央大学, 商学部, 教授 (80384022)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード組織マネジメント / 研究開発 / 阻害と促進 / イノベーション
研究実績の概要

本年度前半は、組織マネジメントとイノベーション成果に関する分析の一部を学術雑誌へ投稿するための大幅修正に時間を費やした。修正版は学術雑誌(Research Policy, Elsevier)に2018年度掲載されることになった。本年度の後半は、NEC、ゼロックス、バイオ医薬品メーカーなど活発なイノベーション活動を実施している企業のマネージャーにヒアリングを行った。その結果は、企業横断型のイノベーションプロジェクト(特に公的研究機関、大学との共同プロジェクト)が大きなイノベーション成果に結びついていることを示唆していた。昨年度の分析に用いた特許データで確認作業をしたところ、共同出願特許の約9パーセントが大学・公的研究機関との共同出願であった。当該特許の件数が少なく安定した分析が難しかったため、イノベーション調査項目の「他組織と共同で行ったイノベーション活動」の情報を用いて、イノベーションの頻度・新プロダクトの売上高などのイノベーション成果との関係をパイロット分析により確認した。分析には最新のイノベーション調査(2015年度)を活用することとし、ヨーロッパのコミュニティーイノベーションサーベイ(CIS)を用いた先行研究に倣い、約3000社のPotential innovator(イノベーションの成果の有無にかかわらず、イノベーション活動に関与した経験を持つ企業)を対象とした。分析結果から、公的研究機関・大学と共同イノベーションプロジェクトを実施する企業ではイノベーションの実現頻度は低下する一方、新プロダクトの売り上げは大きいことが確認できた。異なる組織間の調整費用の影響があることが推測される結果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに進捗している。研究成果は既に複数の論文として公刊され、また公刊段階にある。また、ヒアリングの結果をうけて、より大きな成果をイノベーションから得ている企業の特徴を把握するための補足データ購入手続きにも入っている。本学が保有する企業データと補完することで、購入データ件数を大幅に絞ることもできたため、研究目的の達成に資金面で大きな問題は生じない。

今後の研究の推進方策

本年度は、他企業・公的研究機関との共同研究マネジメントに焦点をあてた分析へ発展させる。イノベーション調査は回答者の負担を軽減するために、二択や5ポイントスケールで活動を評価するような制度設計をとっている。直近の調査になるほどこの傾向は強まっている。企業属性・ガバナンス・財務データとイノベーション調査とを接合し、より大きな成果をイノベーションから獲得することに成功している企業の特性を組織管理以外の要因(企業金融、ガバナンス、需要など)も含めて検証していく。追加データの購入のために、Potential innovatorを洗い出し、学内の利用可能なDBとの照合を行った上で不足分のみ購入する手続きをとっている(訳2800社)。次年度の研究費はデータ購入費に充てる。その他、論文の英文校正・報告のための出張旅費にも利用する。

次年度使用額が生じた理由

理由:予定していた企業分析用のデータの納品が遅れたため。
使用計画:納品が遅れた企業分析用データの購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Organizational and human resource management and innovation: Which management practices are linked to product and/or process innovation2018

    • 著者名/発表者名
      Shoko Haneda and Keiko Ito
    • 雑誌名

      Research Policy

      巻: 47(1) ページ: 194-208

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.respol.2017.10.008

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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