研究実績の概要 |
本研究の目的は(1)インドの小企業が小さいままなのはなぜか(2)経営者のジェンダーや社会的ネットワークが起業家精神やパフォーマンスにいかに影響を与えているかについて、二次データを用いた分析と、インド南部でのフィールド調査を通じて明らかにすることである。 令和元年度の研究実績は下記の通りである。 第一に、研究代表者二階堂は研究協力者であるPais氏と補助学生の協力の下、令和元年8月に南インドの3大学の学生を対象としてフィールド調査を行った。具体的には、カルナータカ州のマイソールにある3大学の学生(男性79人、女性73人、合計152人)に対し、家族・友人関係などの属性や起業についてのアンケート調査と、リスク選好や信頼、競争心を測る経済実験とを行った。そして、それらのデータを平成29年度8月にバンガロールとマイソールの3大学で同様に実施した調査(大学生・大学院生約200人)のデータと合わせて、(潜在的な起業家たる)学生の性別や宗教・カーストが彼らのリスクや信頼、競争心にどのような影響を与えるかについて実証分析を行った。 第二に、これまでの研究成果を発表するため、研究協力者のPais氏(SSER)のほか、共同研究を行っているSarma氏とRawal氏(Jawaharlal Nehru University)の研究者3名を日本へ招聘し、2019年10月5-6日に慶応大学で開催されたThe 32nd Annual Conference of the Japanese Association for South Asian Studiesでパネルセッション"Labor, Industrialization and Economic Growth in India"を行った。
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