研究課題
基盤研究(C)
技術開発には全く新しいアイディアを生み出すイノベーションと既存のアイディアを拡張した模倣的なものがある。それぞれの費用が多次元に異質である際の企業のインセンティブを理論的に分析した。特許期間が固定されている場合には、政府が類似特許をどのように差別度合いを判定するか、営業秘密をどれくらい保護するかによって、それぞれの費用を変えることができる。本研究では、政府の政策が2次元の費用空間の分布にどのような影響を与えるかと、その違いが国の比較優位にどのような影響を与えるかを分析することを目的とした。
国際貿易と産業組織の理論
本研究の学術的な特色としては、まったく新しいイノベーション費用と既存研究を拡張した模倣費用という2種類の開発費用が、2次元に分布している場合に、さまざまな特許政策によって、産業やアイディアの異質性にどのように影響を与えるかを示し、2次元の費用の異質性が国の産業の比較優位を生み出す方向性を初めて理論的に分析するところにある。それと同時に、我が国の特許政策の在り方を検討するうえでも重要な役割を果たすことが期待される。